出版社内容情報
原稿用紙3枚半から浮かび上がる、一冊の本、一人の人生
旺盛な好奇心にもとづく幅広い選書と、本の隠れた可能性を引き出す手腕とで、読書家のあいだで根強い支持を集める書評家・鹿島茂。
当代随一の書評家は、なぜ書評を書き続け、いかにして書評家となったのか。
約15年分の書評から一人の「知的飢餓者」の肖像が浮かび上がる。鹿島書評の集大成。
内容説明
当代随一の書評家は、いかにして書評家となったのか―。一人の「知的飢餓者」の肖像が浮かび上がる、鹿島書評の集大成。
目次
現代史のターニング・ポイントを再考―藤原書店編集部編『二・二六事件とは何だったのか』
Y染色体の危うい未来 ブライアン・サイクス『アダムの呪い』
「清潔」な男との交流と侠気―百瀬博教『裕次郎時代』
あぶり出された背後の思惑―毎日新聞「靖国」取材班『靖国戦後秘史』
それはブルジョワの自己嫌悪だった―フランソワ・フュレ『幻想の過去』
日中の認識のズレを暴き出す―加藤陽子『満州事変から日中戦争へ』
日本版の実録“人間喜劇”―田中森一『反転』
歴史を単純化する「定説」を解体―筒井清忠『昭和十年代の陸軍と政治』
民俗学は来歴の否定から始まった―大塚英志『「捨て子」たちの民俗学』
今年の三冊
経験の仕方、方法論を教えるものこそ―山崎正和『文明としての教育』
前衛芸術家の「交差点」に位置して―マン・レイ『マン・レイ自伝』
バルザック世界へのもう一つの入口―オノレ・ド・バルザック『バルザック幻想・怪奇小説選集』全五巻
批判一辺倒の社会への警鐘―内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』
愛情の欠如が生んだ過剰防衛―三浦雅史『漱石』
真の「道徳家」の実像に迫る―佐野眞一『甘粕正彦 乱心の曠野』
知られざる「最も優れた敗者」の素顔―ジャン=クリスチャン・プティフィス『ルイ十六世』上・下
絵画から広がるプルースト世界―吉川一義『プルーストと絵画』
驚くべき赤裸々な日記の数々―青木正美『自己中心の文学』
イスラーム圏も近代化に向かう―エマニュエル・トッド、ユセフ・クルバージュ『文明の接近』
精神分析で読む性の歴史―G・R・テイラー『歴史におけるエロス』
二つの言語がはぐくんだ詩人の相貌―石井洋二郎『ロートレアモン 越境と負造』
今年の三冊
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年、神奈川県横浜市生まれ。作家、フランス文学者。明治大学名誉教授。専門は19世紀フランス文学。『馬車が買いたい!』(白水社)でサントリー学芸賞、『子供より古書が大事と思いたい』(青土社)で講談社エッセイ賞、『愛書狂』(角川春樹事務所)でゲスナー賞、『職業別パリ風俗』(白水社)で読売文学賞、『成功する読書日記』(文藝春秋)で毎日書評賞を受賞。その他、著書多数。書評アーカイブサイト「ALL REVIEW」主宰。2022年、神保町すずらん通りに共同書店「PASSAGE」を開店(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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岡本正行
緋莢
Hiro
ターさん