フッサール 志向性の哲学

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784791775422
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0010

出版社内容情報

経験の本性へ――。
~について思い出す、~に対して愛憎を抱く、~を欲する、~であると信じる、~と想像する…、わたしたちの心の動きは決してそれ自体では成立せず、必ずなんらかの対象に向かっている。わたしたちの経験の核にある対象への向き=「志向性」とはいかなるものか。分析哲学・論理学の哲学者たちの思想を補助線に、「生」と「知」の交差するフッサールの画期的な概念をていねいに紐解く、唯一無二の入門書。

内容説明

~について思い出す、~に対して愛憎を抱く、~を欲する、~であると信じる、~と想像する…、わたしたちの心の動きは決してそれ自体では成立せず、必ずなんらかの対象に向かっている。わたしたちの経験の核にある対象への向き=「志向性」とはいかなるものか。分析哲学・論理学の哲学者たちの思想を補助線に、「生」と「知」の交差するフッサールの画期的な概念をていねいに紐解く、唯一無二の入門書。

目次

序章 経験する「生」の本性としての志向性
第1章 志向性の謎―思考が何かについてのものであるとはいかなることか
第2章 志向性と真理―真偽に関与するものとしての「対象」
第3章 意味と対象―我々はどのように「対象」への関わりを手にするのか
第4章 意味と作用―意味は心の中にあるのか
終章 「現象学」は何をするものだったのか

著者等紹介

富山豊[トミヤマユタカ]
1981年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門はフッサール現象学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Gokkey

14
フッサールの志向性を手掛かりに、フッサール現象学の全体像への見通しを与える。博士論文をベースにしており、丁寧だが多少荒々しい勢いも感じる。我々の意識が示す「何が」という対象を探索する方向性を志向性とし、ここに構造を仮定する。そこには対象が存在するという確証を得る手続きが含まれており、これを経験と呼ぶことが許されるなら、存在は経験に依存すると言える。しばしば意識についての主観性の哲学と思われがちなフッサールではあるが、徹底して経験に超越性を与える事で逆に経験的実在論の根幹構造を丁寧に解き明かす仕事を成した。2024/02/02

愛楊

2
「現象学って主観性の理論でしょ?」と思っている人は、終章「「現象学」は何をするものだったのか」から読むべきかもしれない。本書は、2015年に提出された博士論文が基になっている。まさに分析的現象学である。『イデーン』ではなく、初期のフッサールの著作である『論理学探究』を下にして、現代的なダメットのフッサール解釈とともに論を進めていく。現象学における最重要概念である〈志向性〉を対象への手続き(=遅延評価)として捉えることが、本論の趣旨である。2024/05/11

代拿邁人☆

1
フッサール現象学の入門書としてとても良い。フレーゲについても学べる。(フレーゲについて知っているとかなり読むのが楽かも)2025/01/25

くるみ瑠璃

1
志向性とはどのようなもので、どのような議論がされ、ある扱いがどのようにして正当化されるかを丁寧に議論した、哲学の仕方を示す入門書でもあり解説書。 フッサールを分析哲学からひもとくところは新鮮に楽しめた。2023/05/21

けぴ

1
本書はフッサール現象学の最重要ワードである「志向性」の概念を徹底して分析・解説した名著である。志向性概念を理解する補助線として、ダメットなど分析哲学の知見を導入しているのだが、フッサール現象学にも分析哲学にも苦手意識のあった私でも面白く読むことができた。ありがたい!2023/05/15

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