物語とトラウマ―クィア・フェミニズム批評の可能性

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物語とトラウマ―クィア・フェミニズム批評の可能性

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  • サイズ 46判/ページ数 512p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791775002
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0090

出版社内容情報

トラウマ的な出来事を経験した人びとにとって、文学や文化は生きのびるための表現となりうるのか--
多和田葉子、李琴峰、古谷田奈月、森井良、林京子、大江健三郎、岩城けい、小野正嗣といった現代作家の作品を丁寧に読み解き、物語を受けとるという営みとは何か、小説と読者が出会うとはどういうことか、それにクィア・フェミニズム批評はどうかかわるのか、自身の経験とときに重ね合わせながら文学や文化の力を見出していく。気鋭の研究者による、トラウマという語ることがむずかしい経験を語るために物語があるのだということを、そして何より新たな対話の可能性を信じるすべての人におくる、画期的な文学論。

内容説明

物語の力を信じる画期的文学論。

目次

トラウマを語ることはできるか?
境界の乗り越え方―多和田葉子『容疑者の夜行列車』論
改稿が示す「奇跡」―李琴峰『独り舞』論
上演された自伝、聴き手たち―古谷田奈月『リリース』論
クィアな記憶の継承―森井良「ミックスルーム」論
「バラカ」から「薔薇香」へ―忘却に抗う虚構の強度をめぐって
変わり身せよ、無名のもの―多和田葉子「献灯使」論
記憶と核の時代―林京子の仕事をめぐって
組みかわる物語―大江健三郎「美しいアナベル・リイ」論
読みなおすこと、回路をつくること―大江健三郎と「憑在論」
たがいを支えあう言葉の回路―岩城けい『さようなら、オレンジ』論
前未来形の文学―小野正嗣『獅子渡り鼻』論
記憶を伝えるということ―多和田葉子における「星座小説」
言葉が生まれ、物語が生まれる

著者等紹介

岩川ありさ[イワカワアリサ]
1980年兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、早稲田大学文学学術院准教授。専攻は、現代日本文学、クィア・スタディーズ、フェミニズム、トラウマ研究。大江健三郎や多和田葉子らの作品を中心に、傷ついた経験をいかに語るのか、社会や言語、歴史との関わりにおいて研究している。本書が初の単著(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

45
【心に傷を負う経験をした人々にとって、文学は生き延びるための表現となりうるか】9人の作家の小説を読解することを通して、トラウマ的な出来事を生き抜いた人々が、聴き手や語り手、読み手や書き手となってゆく過程について明らかにした“サバイバル” の書。巻末に、詳細な注と参考文献。推薦。<小説を読みながら、私は、苦しみのなかにいながらも、あなたは生きてゆくことができると話しかけていた。私は、毎晩、「私は休んでもよい」、「私は笑ってもよい」、「私は楽しんでもよい」と、声に出して自分に語りかけるようになった>と―― ⇒2025/02/26

nranjen

7
自分にとって衝撃の研究書。こういう研究があっていい。いいねボタンを100押ししたい。自分的にフェミニズムの意味を再考するきっかけとなりました。参考文献もぜひ読んでおいた方がいい本が多い気がします。2023/04/08

Chihiro

4
大江の「アナベル・リイ」の考察とご自身の回復の物語が共鳴し合っており、読んだ人がフェミニズムについて、クィアについて、不正義を許さない社会について、人同士の痛みを共有する回路について、新たな視点を得ることができると思う。登場する小説を事前に読んでいた方がより重層的に学ぶことができるはずだけど、そうでなくても学びを得られる。人の「傷」について理解するのは難しくても、投じられた小石から生まれるさざ波(アナベル・リイでいう「こだま」かな)を感じ取る心を持ち続けていたい。2023/04/10

たろーたん

3
覚書。クィアは、規範を転覆させる力である。すでにある決まりごとの束(規範)を問い直し、規定された物語に逆らい、別の物語の可能性を断固として主張するような読み方をする。しかし、規範を転覆することは容易にはできず、規範的なジェンダーやセクシュアリティが少しずつずれる瞬間を、私たちは見逃さず、すくいとらなければならない。クィア批評を続けることで、「いま・ここ」ではない世界の可能性を手繰り寄せるのだ。(続)2024/05/03

かがみ

3
語りえぬものであった「トラウマ」が語り出されるとき、そこには「物語」が生み出される。本書では「トラウマ」と「物語」という視座からフェミニズム批評やクィア批評を手がかりとして大江健三郎氏や多和田葉子氏をはじめとする9人の作家たちの小説が論じられる。かつて村上春樹氏は「小説を書く」ことは自己治療的な行為になると述べていたが、おそらく「小説を読む」こともまた同様に「自己治療的な行為」となりうるように思える。こうした切り口から小説と向き合う「批評」を行うにあたり、本書は確かな道標を示してくれる一冊である。2024/03/31

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