出版社内容情報
佐藤文隆[サトウフミタカ]
著・文・その他
内容説明
戦後日本において、社会をまきこみながら、産業や文化や文明そのものを変えながら、進歩してきた科学。それは学問としての科学の枠組みをとびこえ、私たちの生活を変え、未来への希望や可能性をも与えてくれるものであった。「失われた三〇年」を経て、経済力や技術力がかつての勢いを失うなかで、同じように輝きを失いつつある科学はどうあるべきなのか。政治、学問、教育、あるいは科学者というさまざまな視点から、これからの「科学」について考える。
目次
1 科学と政治(トランプ政治が抉り出したもの―西洋科学の現在;学術会議の居場所とは―会員任命拒否事件の波紋 ほか)
2 科学と学問(新語「サイエンティスト」への抵抗―自然哲学と自然愛;「学問」と「科学」の現在―「科学って学問?」 ほか)
3 科学と国民教育(ウィーン学団「統一科学」の八〇年後―マッハの初心とは?;大森貝塚・帝国科学・「縄文右翼」―学問世界と科学の対話 ほか)
4 湯川秀樹の時代(西田幾多郎と桑木〓雄―「プランクのマッハ批判」の余波;荒木俊馬のリベンジ―戦時下「日本精神」と科学者 ほか)
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年山形県鮎貝村(現白鷹町)生まれ。60年京都大理学部卒。京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、湯川記念財団理事長などを歴任。1973年にブラックホールの解明につながるアインシュタイン方程式におけるトミマツ・サトウ解を発見し、仁科記念賞受賞。1999年に紫綬褒章、2013年に瑞宝中綬章を受けた。京都大学名誉教授、元甲南大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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