出版社内容情報
私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか
私達が当然のこととして受け入れているカーニズム(肉食主義)は、家畜動物に生まれてから死ぬまで、想像を絶する苦痛をもたらし、世界中のあらゆる場所で不正行為の原因ともなっている。また、この不可視化された信念体系は、私たちの考えを歪め、感覚を麻痺させている。カーニズムの成り立ちを、社会心理学的視点から分析し、畜産業に従事する人や一般人へのインタビューを交えた分析をもとにその仕組みを解き明かす、気鋭による画期の書。(序文 ユヴァル・ノア・ハラリ)
内容説明
肉食主義の成り立ちを、社会心理学的視点から分析し、我々がなぜ肉食に捕らわれ続けているかを明らかにした画期の書。
目次
第1章 愛玩用か食用か
第2章 肉食主義「そういうことになっているから…」
第3章 カーニズムの現実
第4章 巻き添え被害―カーニズムによる二次的な被害者たち
第5章 カーニズムの神話―カーニズムを正当化するために
第6章 鏡の国のカーニズム―内面化した肉食主義
第7章 目撃証人になること―カーニズムから慈悲へ
著者等紹介
ジョイ,メラニー[ジョイ,メラニー] [Joy,Melanie]
社会心理学者。慈善団体Beyond Carnism(carnism.org)の設立者兼代表者でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
10
最近は、なるだけ自分と同じ哺乳類から遠いものを中心に食べようと思ってます。食べるなら、駆除対象になったもののお肉などを。しかしエキスやらパウダーやら何やらで、お菓子でも調味料でも何にでも入っているから、完全は難しい。革製品は有り難く限りなく永遠に使うぞ!という意気込みでナデナデ大切にするが、供養になるだろか。そして肉食獣の飼い猫のフードは肉ですし。2022/09/04
ベランダ
9
肉を食べる時、人はその動物をモノ・非個性的・食べていいと分類されている動物など、無意識に動物を虐殺している事実を正当化して、自分の感覚を麻痺させている。ヴィーガンはイデオロギーとして扱われているが、肉食は普通というイデオロギーは「常識」として名前もついていなかった。暴力のイデオロギーはそうやって「そういうことになっているから」と思考停止で受け入れられ、常識とされてきた。言語化され、語られることによって、人々の解離を解いて、その内面化されたカーニズムから解放されていくことになる。私も動物側に立ちたいです。2023/03/30
tomatobook
6
カーニズムとは食肉主義。家畜動物の肉は食べるが愛玩動物の肉には嫌悪感がある。カーニズムはイデオロギーとして認識されていない。社会的にも心理的にも不可視化されている。【第三章カーニズムの現実】はリアルな描写過ぎて読み切ること不可。クリスマスに毎年焼いていたチキンの丸焼き、今年はもう作れない。2022/11/27
Hiroki Nishizumi
4
参考になった。認知とカテゴリー、距離感。そして正当化の3N、Normal Natural Necessary2022/11/29
Jessica
4
題名の「なぜ~」を知りたくて読み始めましたが、全体的に期待外れでした。 カーニズムとはそのまま肉食の意味で、ひたすらアメリカの食肉業界における残虐性、肉食主義がいかに害悪かについて述べられており、少し辟易しました。 以前日本のジビエについての本を読んだ時に、猟師・シェフたちのプロフェッショナルさ、職人性に尊敬したことを思い出します。 結論としても結局過激な「ヴィーガンのすすめ」という感じ。全体的に疑問が残る本でした。 2022/10/03