出版社内容情報
映画の背後に潜む戦慄のストーリー
大ヒットしたホラー映画の数々は実際にあった犯罪、心霊現象にインスパイアされて製作されていた----『サイコ』『エクソシスト』から『羊たちの沈黙』『ウィッチ』『ザ・ライトハウス』まで、映画の背後に潜んでいた戦慄のストーリーを、気鋭の犯罪学者が鮮やかに描き出す。
内容説明
大ヒットしたホラー映画の数々は実際にあった戦慄の犯罪、心霊現象にインスパイアされて製作されていた―エド・ゲインからセイラムの魔女裁判まで、映画の背後に潜む戦慄のストーリーを、気鋭の犯罪学者が鮮やかに描き出す。
目次
『M』(一九三一年)
『ロープ』(一九四八年)
『サイコ』(一九六〇年)・『悪魔のいけにえ』(一九七四年)
『フレンジー』(一九七二年)
『エクソシスト』(一九七三年)
『ジョーズ』(一九七五年)
『日没を恐れた街』(一九七六年)
『悪魔の棲む家』(一九七九年)
『ポルターガイスト』(一九八二年)
『エルム街の悪夢』(一九八四年)
『ゾンビ伝説』(一九八八年)
『羊たちの沈黙』(一九九一年)
『スクリーム』(一九九六年)
『プロフェシー』(二〇〇二年)
『ウルフクリーク/猟奇殺人谷』(二〇〇五年)
『死霊館』(二〇一三年)
『アナベル死霊博物館』(二〇一四年)
『死霊館エンフィールド事件』(二〇一六年)
『ウィッチ』(二〇一五年)
『ザ・ライトハウス』(二〇一九年)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
88
お気に入りの方のお薦めを見て。読み始めてから出版が青土社なことに気付く。個人的贔屓や思い出補正もあり、この本にも「大丈夫。青土社のサブカル本だよ。」といった安定のクオリティを感じる(※揶揄的な意味は全くない)。文化全般、ハイカルチャー寄りまで網羅した出版社で、時流を押さえ面白いのに大衆的過ぎない刊行物が多い、という個人的評価。表紙のイメージとギャップが少ない印象なのも良。この本はホラー映画の元ネタを扱ったノンフィクションで、「その時彼女が見たものとは!?」みたいな不快なCMまたぎがない再現ドラマのよう。2021/10/06
HANA
80
『M』と独逸の肉屋、『サイコ』『悪魔のいけにえ』とエド・ゲイン…。古くは戦前の『M』から現在上映中の『ライトハウス』まで、ホラー映画が影響を受けた現実の事件を扱った一冊。『サイコ』『悪魔のいけにえ』は有名だけど、他にも積み重なったホラー映画の背後にこれほど現実の事件があったのかとまずは圧倒される。基本的に人間が起こした事件とオカルトめいた事件があるのだが、面白いのは圧倒的に人間が起こした方。面白くて一気読みだったが、並み居るシリアルキラーを前にして頭がくらくらするような気も。ホラーファンは必携の一冊。2021/07/13
sin
66
猟奇殺人!怪奇現象!なんとも内容の濃い一冊だ!数々の有名映画の発想の元となった実際の犯罪と事件、心霊現象とされた出来事が映画のあらすじと対比されながら語られていく…中でもその大部分を占めるのが連続殺人の記録であり、その猟奇的殺人の手口である。事実は想像より残酷で、人間は悪魔より無慈悲である。一方、心霊現象とされた出来事の裏には捏造や宗教的思い込みによるある意味予想外の結末が控えており興味深い。また『ジョーズ』を産み出したベースとなった海難事故…サメによる被害の実態が自然界の恐ろしさを実感させる。2021/07/25
kei-zu
27
「サイコ」「エクソシスト」「ジョーズ」などなど。ホラー風味の映画の背景にあったという「事実」の数々。身も凍るような殺人鬼の所行から、幽霊屋敷をめぐる関係者の発言を紹介した後に「そのような事実は確認できなかった」とバッサリ書くものも。 事実でない逸話は意味がない? いやいや。人の恐れが物語を紡ぎ、その物語が機会を得て、多くの観客に映画として楽しまれる。 事実と嘘、恐怖と娯楽のアンビバレンツな関係に人が惹かれることを興味深く思う。2021/08/08
くさてる
19
ホラー、サスペンスなどの映画とそのモデルになった実際の事件を紹介した一冊。取り上げられている事件、映画は数多いのですが、どれも事実関係を並べているだけで、深い考察や独特の視点はありません。実際の事件が社会にもたらした影響や映画のヒットとの相互作用や関係を解説したものを期待すると、いささか肩透かしな印象を受けるかも。2021/10/10