出版社内容情報
樺太アイヌの世界観
TVアニメ「ゴールデン・カムイ」第3期“樺太編”が始まり、今まで以上に注目を集める樺太アイヌ。当時の生活を記憶する人々からの聞き取りにより、樺太アイヌの世界観を記録し、出版した貴重な資料、待望の刊行。
内容説明
アイヌは植物や動物とどのようにつきあっているのか。家の間取りや集落の位置にはどのような意味があるのか。カムイとは何か。クマ送りなどの宗教的儀式はどのような理由でおこなわれているのか。樺太の北西海岸で生活していた人々への丹念な聴き取りによって描き出される生活と世界観のすべて。
目次
第1章 はじめに
第2章 自給自足の経済活動
第3章 屋内での日常生活
第4章 人の一生
第5章 アイヌ社会
第6章 信仰・儀式・世界観
著者等紹介
大貫恵美子[オオヌキエミコ]
神戸市生まれ。津田塾大学卒業。1968年、ウィスコンシン大学人類学博士号取得。現在ウィスコンシン大学ウィリアムFヴァイラス研究専任教授。アメリカ学士院正会員。2014年、La m´edaille du Coll`ege de France受賞。日本語の主な著書に、『日本人の病気観―象徴人類学的考察』(サントリー学芸賞)などがある
阪口諒[サカグチリョウ]
奈良県生まれ。アイヌ語、アイヌ文学専攻。千葉大学大学院博士後期課程/日本学術振興会特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぞだぐぁ
3
『ゴールデンカムイ』の3期が終わった熱も冷めない所で図書館の新刊に入っていたので読んだ。 元々日本人の研究者が英語で出した本を別の人が何十年も経った後に日本語訳したという変わった経歴の本。WW2後に樺太から北海道に移らざるを得なかったアイヌの人と共に生活して習俗や文化を記録して纏めた本で、海外でのアイヌ研究では結構引用されていた知名度の高いものだったらしい。 原著からか訳のおかげが読み易いのでゴールデンカムイに関心があったら読んでみて欲しい。2021/02/09
夕凪
1
樺太アイヌと北海道アイヌがあることをそもそも知らなかった。カムイの考え方とかはじめての知識に触れ興味深かった2023/11/07
y
1
図書館の新着棚にあったので手にしました。樺太南部の北西岸という狭い範囲のフィールドワーク(といっても、かなり広そうですが)で、その地域のアイヌの考え方がとてもよくわかりました。筆者の解釈によるカムイの概念も新鮮で、日本のいわゆる八百万の神とは違うのだなと思いましたが、他の地域のアイヌの考え方や研究者の考え方も知りたくなりました。2021/08/14
近藤こたつ
0
ガッツリ濃厚でしっかりした民族誌を久しぶりに読んだ。アイヌというと、北海道が浮かびがちだけども、千島や樺太、東北にも広がっていて、そのうち樺太の北西海岸というフィールドのアイヌの民族誌。北海道との違いにも言及しているので、比べながら読むのも面白かった。2022/10/04
とうせい
0
★★★★☆2021/03/19