出版社内容情報
ユングの言いたかったことユング晩年の著作はいずれも非常に難解である。1944年に病気を患ったユングは、そのときいわば生まれ変わり、それ以降は書きたいように書こうと決めたのである。そのため、ユングの方から読者に会いにはるばるやって来てくれるということはなくなり、ユングがいたところまで読者が行かなくてはならなくなった。現代の読者たちに歴史的背景を詳述し、心理学的に自己そのものが日常の体験の中にいかに顕れるのかを示すことによって、ユングの素材をより分かりやすくしようというのが、本書の意図である。心理占星術研究家の鏡リュウジ氏によるユングと占星術とのかかわりについての解説も収録。
内容説明
壮大にして難解な著書『アイオーン』に迫る。晩年の著書である『アイオーン』のなかで、ユングは人間の知について新しく画期的な視点から洞察している。しかし、グノーシス主義、錬金術、占星術などの原典が解説なしに引用されているため、読解は極めて困難だった。卓越した分析家である著者が、その引用の意図、背景を詳細かつ丁寧に分析し、自らの臨床経験も交えながらユングの思考の軌跡をたどった画期の書。
目次
序
『アイオーン』のユングの序言
自我
影 シジギー:アニマとアニムス
自己
キリスト、自己のシンボル
キリスト、自己の象徴(承前)
キリスト、自己のシンボル(続き)
双魚宮
双魚宮(続き)
ノストラダムスの予言
魚の歴史的意味
魚の歴史的意味(承前)魚の象徴の両義性
錬金術における魚
錬金術における魚(承前あるいは続き)
大魚の夢
ゲルハルト・ドルネウスの著作
キリスト教的錬金術の象徴体系の心理学
グノーシスにおける自己の象徴
自己のグノーシス主義の象徴(承前)
グノーシス主義における自己の象徴(承前)
自己の構造と力動
自己の構造と力動(承前)
著者等紹介
エディンジャー,エドワード[エディンジャー,エドワード] [Edinger,Edward F.]
1922年生まれ、1998年没。インディアナ大学とイェール医科大学で学び、精神科医となった後、ユング派分析家となる。ニューヨーク・ユング研究所の創立メンバーの一人として、また、ニューヨーク・ユング・トレーニング・センター所長としても活躍した。その後、ロスアンジェルスで開業すると同時にC・G・ユング研究所で講義を行い、アメリカにおいてユング派の理論家として指導的な存在であった
岸本寛史[キシモトノリフミ]
1991年京都大学医学部卒業。2004年富山大学保健管理センター助教授。2007年京都大学医学部附属病院准教授。現在、静岡県立総合病院緩和医療科部長
山愛美[ヤマメグミ]
1987年京都大学大学院教育学研究科博士課程学修認定退学、博士(教育学)。2001年成安造形大学造形学部教授。現在、京都先端科学大学人文学部、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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