内容説明
近代の視覚技術を集大成したメディアとしての絵はがき。その誕生から、旅行と蒐集、消印と投函、ピンポンとの意外な関係、爆発的日本ブームまで。手彩色、透かし絵、3Dなど稀少品の数々を紹介しながら世界の絵はがき史をふりかえり、メディアと身体との関係に新たな光を投げかける。待望の増補新版。
目次
漏らすメディア
絵はがきの中へ
旅する絵はがき
アルプスからの挨拶
あらかじめ失われる旅
わたしのいない場所
透かしは黄昏れる
セルロイドエイジ
一枚の中の二枚
カードとディスプレイ
ミカドとゲイシャの国
カール・ルイスの手紙
シカゴみやげ
洪水と余白
色彩と痕跡
画鋲の穴
キルヒナーの女たち
著者等紹介
細馬宏通[ホソマヒロミチ]
1960年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(動物学)。現在、早稲田大学文学学術院教授。ことばと身体動作の時間構造、視聴覚メディア史を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
18
世相や表象を伝えてくれるものとして、郵便関連の物が最近とみに気になっている。本書は、絵はがきの起こりから、19-20世紀転換期の爆発的な絵はがきブーム(博覧会ブームと強く関連)、素材・印刷・加工技術の発達、コレクターの熱狂、持ち主たちの痕跡に触れる楽しみなどについて、柔らかな文章と豊富な図版で紹介する。明治期には、新聞よりも鮮明な写真印刷が可能だった絵はがきが、災害の状況を知らせるメディアとして活用されたというのが面白い。この本を読んでいると無性に絵はがきを出したくなった。また旅先から自分に送ろうかな。2022/01/18
takao
2
ふむ2023/06/28