内容説明
シンヤスコープと呼ばれる顕微鏡によって、細胞生物物理学の発展に多大な貢献をした井上信也の生涯と研究をたどる第一級の自伝。
目次
第1章(プロローグ;戦争の前兆;ケイティーの登場;防共協定と三国同盟;人の知覚について―私自身の経験;戦時中の日本、その続き;卒業後)
第2章(戦争が終わってからの数年;アメリカへの旅立ち;ワシントン大学)
第3章(戦後の日本で;アメリカでの新しい生活;またさらに引っ越し)
第4章(フィラデルフィア;MBLでの常勤)
第5章(はじめに;MBLにおける最近の四半世紀)
著者等紹介
井上信也[イノウエシンヤ]
1921年生まれ。細胞生物物理学者。東京大学理学部・プリンストン大学大学院卒。PhD。現在Marine Biological Laboratory(MBL)のDistinguished Scientist。ワシントン州立大学、東京都立大学、ロチェスター大学、ダートマス大学、ペンシルベニア大学、MBLにて教育に従事しつつ、生物用偏光顕微鏡の開発やデジタル画像解析技術の確立を行い、分裂する細胞で染色体が2組に分かれる仕組みなど、生きた細胞の詳細な観察による生物物理学的研究で、20世紀の生物学に大きな貢献をした
馬渕一誠[マブチイッセイ]
1945年生まれ。東京大学理学部、同大学院卒。理学博士。専門は分子細胞生物学。東京大学教授、学習院大学教授を経て、東京大学名誉教授。細胞分裂、細胞運動を分子・細胞レベルで研究している。特に細胞質分裂を担う収縮環の構造と働きが主要研究テーマ
谷知己[タニトモミ]
1968年生まれ。筑波大学生物学類、東京大学大学院卒。理学博士。専門は生物物理学。東京都臨床医学研究所、北海道大学を経て、現在Marine Biological LaboratoryのAssociate Scientist。多種多様な細胞内で繰り広げられるさまざまな生命の仕組みを分子スケールで観察する、新しい光学顕微鏡の開発に従事
佐瀬一郎[サセイチロウ]
1968年生まれ。慶應義塾大学理工学部、同大学院卒。理学博士。大学院時代の研究は、超高感度蛍光顕微鏡による単一分子および単一細胞のリアルタイムイメージング。現在株式会社ニコンにて、先端光学顕微鏡及びバイオアプリケーション開発のプロジェクト推進に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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