内容説明
現代数学の第一人者による、瞠目すべき数学論の数々。絶対数学の基礎を成す数論から、日本人数学者の予想の成果までを論じ、今世紀最大の難関「リーマン予想」解決への途を探る。
目次
プロローグ 数学の山1
第1部 絶対数学という希望(数学の究極単純理論;未知なる絶対数学の発見;海辺の数学者;素数の演劇空間;絶対ガリア理論)
第2部 美しき数学者たちの夢(高木貞治とクロネッカー青春の夢;谷山豊の未解決問題;佐藤幹夫の予想;ラングランズの山)
第3部 リーマン予想への挑戦(リーマン予想の風景;BSD予想と深リーマン予想)
エピローグ 数学の山2
著者等紹介
黒川信重[クロカワノブシゲ]
1952年栃木県生まれ。数学者。東京工業大学理学部数学科卒業。同大学大学院修士課程修了。専門は数論・ゼータ関数論・絶対数学。東京大学助教授、東京工業大学大学院理工学研究科教授などを歴任。東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
5
やはり0.1%ぐらいしかわからない。20世紀は環(ring)の大発展期である、というのは分かる。和と積と、その逆演算の差と商の四則演算の世界。絶対数学は、掛け算だけ、monoid(単圏)にする。モノイドは群と異なり、逆元の存在を仮定しない。▲ζ(ゼータ)関数がわからぬ…。ζ(1)=1/22017/07/16
HH2020
3
〇 ゼータ惑星の話である。著者はゼータ惑星に住んでいるらしい。したがって書かれている言語もゼータ語だ。地球人の私には理解の外である。それでも興味がそそられるのはなぜだろう。これまでの数学は地上の幹を見ていた。これからの数学は地中の根を扱わなければならない。数学者がこんな表現をするなんて驚きだ。『BSD問題に限らず、世の中には(たとえ「権威」のあると思われる伝承であっても)誤って伝えられることが数多い。つねに、起源に戻って考えることを基本としてほしい(p206)』同感である。黒川教授の他の著書に挑戦しよう。2017/09/07