出版社内容情報
藤田貴大[フジタタカヒロ]
内容説明
マームとジプシーの代表作を、リズム、匂い、感触をそのままに。26歳で岸田國士戯曲賞を受賞し、現代演劇を更新し続ける俊英・藤田貴大。言葉と身体、詩と演劇の往還から生まれた、珠玉のフラッシュバック・ポエトリー5篇。
目次
Kと真夜中のほとりで
プールにまつわる、エトセトラ
わたしの、身のまわり。そして、ささやかな現象。さとこの、一週間。愛したり。愛されたり。Rと無重力のうねりで
著者等紹介
藤田貴大[フジタタカヒロ]
1985年生まれ。北海道伊達市出身。劇作家・演出家。2007年マームとジプシーを旗揚げ。以降、全作品の作・演出を担当する。2011年に発表した三連作『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』で、第五六回岸田國士戯曲賞を二六歳で受賞。以降、様々なアーティストとの共作を積極的に行うと同時に、中高生との創作にも意欲的に取り組んでいる。演劇作品以外でも、エッセイ、小説、共作漫画の発表など、活動は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ココロココ
16
句読点の位置が変わっているのは、リズムの為。 たまにはこういうの読むのも良いかも。2017/08/15
mer
11
言葉にリズムがあるのですらすらと読めるのだけど理解の足が少し遅いせいか何度か読み返しながら読み進めた。起承転結があるわけじゃないのに(ないからこそなのかもしれないが)どの話も強く印象に残っている。語りかけるわけでも話しかけるわけでもない、ただひとりで呟くやくような、ふわふわとした言葉がいつまでも頭を浮遊している、そんな感覚。2021/01/21
貴羽るき
2
高校生のとき、初めて藤田さんの「プールにまつわる、エトセトラ」をユリイカで読んで、そのとき自分の考えていたことが書かれてあったのでびっくりした。それからずっと、いちばん好きな詩だったからこうやって詩集というかたちで読めてうれしい。マームの舞台で、音として聞く藤田さんの言葉も好きだけど、文字で読むと、言葉の意味じたいがより迫ってくる。読みやすくて、でもさらっと読み進めることはできない、何度もこちらを掴んで、引き止めるような力のある言葉たちだと思った。2017/05/13
きき
1
リズムが、ずっと頭に残ってしまっていて、困る。藤田貴大に支配されてしまった気がして悔しい。あの言葉たち、あの空白たちは、とても大事にしなければいけない気がするから、白い木綿のハンカチに包んでとっておきたいのだけれど、気がついたら黒ずんで豹変してしまっていそうで怖い。私が忘れてしまった、あるいは気づいていなかった、思春期の悶々とした悩みを、油みたいに浮かしてすくってくれたような感じ2018/03/15
n1985asai
1
マームとジプシーの藤田さんによる詩集。 詩とは言ってもシナリオブック的な要素もあり、脳内でマームとジプシーの、あの演劇として再生されていく。 藤田さんの女性的視点が、実際の女性の視点と同様なのかとてもきになるところ。そして、藤田さんのような視点や発想が自分には一切無いのが悔しくもある。2017/09/22