出版社内容情報
池田純一[イケダジュンイチ]
内容説明
“世界”を変える稀有な事件の記録。ソーシャルメディア、フェイクニュース、ハッキング、Alt‐Right…今や世界に浸透したウェブは、これまでとは異なる政治のあり方、もっといえば政権奪取や内政干渉のあり方まで示してしまった。ゲームのルールは確かに書き換えられたのだ。本書は、選挙後「“ポスト・トゥルース”の時代」と名付けられた現代に誕生した、今までとは異なる新たなアメリカを捕まえようとした試みである。WIRED.jpの人気連載「SUPER ELECTION ザ・大統領戦」緊急出版!
目次
1 予備選1 混戦の共和党
2 予備選2 接戦の民主党
3 全国大会 本選への転回点
4 決戦前夜
5 祭りの後
“ポスト・トゥルース”アメリカの誕生
著者等紹介
池田純一[イケダジュンイチ]
コンサルタント、Design Thinker。コロンビア大学大学院公共政策・経営学修了(MPA)、早稲田大学大学院理工学研究科修了(情報数理工学)。電通総研、電通を経て、メディアコミュニケーション分野を専門とするFERMAT Inc.を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
19
何故泡沫候補に過ぎなかったドナルド・トランプが最終的にアメリカ大統領選挙を制したのか? そんななかなか一筋縄では行かない難問を解き明かすために有用なドキュメンタリーとして本書は読める。選挙戦で起きた様々な事件、語られた様々な発言などを丁寧に綴っており、資料として読み応えのあるものに仕上がっている。結局トランプは選挙戦自体を従来の常識を覆すやり方でハッキングしてしまい、世界には「ポスト・トゥルース」しかあり得ないことを暴き立てる立役者に(本人の意図は分からないが)なったのではないか。スマートに纏まった一冊だ2017/06/10
BLACK無糖好き
15
2016年アメリカ大統領選挙戦の模様を、既存メディアやITテクノロジーとの関連を中心にWeb連載したものの書籍化。ITの視点だけでアメリカの有権者の深層心理を照射するのは難しいと思うが、ITが選挙に影響を与えた面は多々あったと思える。マケドニアやジョージアなどの若いギークがWeb広告で儲けるために立ち上げたフェイクニュースサイトが、トランプ支持者らによってSNSで拡散されるなど、虚実ない交ぜのカオス状態が展開されていたようだ。トラフィックを稼ぐ次の標的はフランス大統領選挙のようだが、韓国も餌食か?^^;2017/05/01
ミッキー
4
真実を必ずしも重視しないことにメディアが関係する。マクルーハンの言葉を思い出す。テクノロジーが社会を変えていく状況を把握するために読むべき内容でした。また、アメリカの政治について知るにも参考になります。2017/06/04
turutaka
2
トランプとヒラリーの大統領選挙をテック視点からドキュメントした一冊。リアタイで記録されているのでトランプが一気に大統領選挙を制する流れが圧倒的迫力で描かれいる。我々の使っている文脈とは異なるポピュリズムの意味。フェイクニュースはマスがアンチトランプだったことによる揺れ戻しの現象など、冷静な視点が光る好著だ。オバマとトランプも結局はポピュリズムであり、ポピュリズムとは田舎者のアマチュアリズムと言い切った著者の着眼点は深く鋭い。このドキュメントは来年の大統領選挙を読み解く副読本になるだろう。2019/08/13
KJ.O
1
「ポスト・トゥルース」とは正直判らなかった。マスメディアは真偽を検証して情報を世間に流布させる。朝日新聞の従軍慰安婦報道のでっち上げもあるが、マスメディアは真実を報道するルールに則って世間に情報を伝えている。一方、ソーシャルメディアは虚実ないまぜの情報を世間に拡散させる。真実かどうか検証する責任もルールもない。トランプはソーシャルメディアを駆使して大統領選に勝利した。「ポスト・トゥルース」とは、Webを経由した裏付けのない情報の流布により民主主義制度や政治が支配される危機の時代のことを指しているのだろう。2017/05/25