出版社内容情報
中村桂子[ナカムラケイコ]
内容説明
農業革命、都市革命、科学革命、産業革命―そして“生命革命”の時代へ。38億年前の生きものの誕生から現代までの歴史を一望する「生命誌」の第一人者が、日本社会に向けて簡明直截に示す、“生命論的世界観”へのパラダイム・シフト。
目次
第1部 生命と科学(真の科学を呼び戻すきっかけに;豊かな想像力に支えられた「生きる力」;生命革命の提案 ほか)
第2部 思慕と追憶(明るい食卓の喜び;全ての子どもに母の手料理を;あるがままのまどさんの世界 ほか)
第3部 生活と視点(爽やかな風が吹くとき;賢治に学ぶ「本当のかしこさ」;自然の物語りを聞く ほか)
著者等紹介
中村桂子[ナカムラケイコ]
1936年生まれ。東京大学理学部化学科卒業、同大学院生物化学修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長、早稲田大学人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任。1993年にJT生命誌研究館を設立し、副館長に就任、2002年から館長。2007年に大阪文化賞、2013年にアカデミア賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小木ハム
13
科学・研究を取り巻く環境は今世紀に入って悪化の一途で、実益しか追いかけない株主・経済優先の価値観は、生命論的世界観を置き去りにしている。この警鐘は日本だけでなく世界各国、特に先進国に対して鳴らさなければならないだろう(言っても無駄だと予想されるのが悲しい、、)役に立たないものに価値を見出だせる心の豊かさ、心の多様性がほしい。以前『ミミズの話』や『ハチはなぜ大量死したのか』を読んで、小さくか弱い生きものたちが実は人間の生活を支えてくれていることを学んだ。これ義務教育で教えた方がいいと思うんだけどな。2022/01/15
ruki5894
10
想像力に欠ける社会。終夜、昼間よりも明るい街の電気がどこでどのように作られているのか。科学も物語も想像力あってのもの。災害や事故と捉えるなら、いつか風化してしまう。本質を考えなければいけない。日本の文化には一度自然を客体化しながらそれを主体と合一化していく「知」があり。2017/09/03
U
9
一昨年読んだもの。当時のメモ(たぶん抜き書き)より→[大切なのは、楽しく食べること、健康に暮らすこと、美しい自然の中で四季を楽しみながら住まうこと、さまざまなつながりを感じること、知識を得たり考えたりしながら心を豊かにすることなどである/人間にとって最も大事なのは、日常の暮らしである。誰もが自分の人生を、できるだけ自分らしく生きるには……/「日常の中で接するものやことをよく見て、自分の言葉で考え、納得しながら普通に暮らす」]まど・みちおさんの詩、ニホンミツバチの話…いい読書体験をさせていただきました。2022/02/08
ミッチ
6
加速する競争と効率の時代に、生命の本質がいま見失われようとしている。生きものの誕生から現代までの歴史を生命誌でとらえる中村桂子さんが、日本社会に向けて、生命論的世界観へのパラダイム・シフトを示している。中村桂子さんが館長を勤めているJT生命誌研究館のホームページを訪ねた。中村桂子さんとそのスタッフ達のコメントがまた素晴らしかった。2017/06/07
シャンピニオン
4
そうなんだよな。生き物好き、自然好きはいわゆる科学技術のバイオにある種の違和感を感じてしまう。人間が拡大するために全てを手段としようとしていることに、”わきまえて生きる”を”分”を越えていると、感じる。 今日家族旅行でネイチャーガイドの方とスノーハイクした。自然は知れば知るほどわからないことがあり、学ぶべきものがあることを実感した。2018/03/18
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