出版社内容情報
連続殺人ファイルの決定版!!吸血鬼として伝説となった650人あまりを自らの城で殺害したバートリ・エルジェーベト、分かっているだけでも30人以上もの若い女性を言葉巧みに車へと誘い込んで惨殺し「シリアルキラー」という言葉ができるきっかけにもなったテッド・バンディ……。 連続殺人犯(シリアルキラー)の歴史を詳細に描き、彼らの狂気の正体と、常軌を逸したその思想の核心にせまる。シリアルキラーの犯行を羅列するだけではない。なぜそのような行為に走ったのか、さまざまな見地から彼らの心理に迫る。
目次
第1部 怪物たちの歴史(連続殺人のポストモダン時代、一九七〇年から二〇〇〇年―「レス=デッド」の沈黙;連続殺人小史―ローマからボストンまで、殺人の二〇〇〇年)
第2部 論理と狂気(シリアルキラーの分類―怪物性の類型論;怪物性の進化―幻視型、使命型、快楽主義者、権力型、怒りの報復型、代理ミュンヒハウゼン症候群、連続スプリー型殺人者とその他の新たなカテゴリー;狂気の問題―彼らの頭の中;シリアルキラーの幼児期―怪物の作り方;連続殺人鬼の最初の殺人―トリガー、ファシリテーター、探偵小説誌、倒錯的ハードコアポルノ、そして聖書;殺しの時間―狂気の論理)
第3部 怪物と戦う(犯罪プロファイリングの技術と科学―その成功と失敗;シリアルキラーから生き延びる―怪物の爪を逃れる方法)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
32
シリアルキラーズの態様をFBIが「幻視型」「使命型」「快楽主義者」「権力・支配志向型」との四つにカテゴリー分けしている。大久保清や宮崎勤は快楽主義者、相模原障害者殺傷事件の犯人は使命型といえようか。とまれ、共通するのは不充足感やコンプレックスであることに気付く。そして、自分よりも弱者に牙をむく。中には、もっともらしく理論武装する輩もいるが、一皮むけば、醜い獣の生命状態を脱していない。2021/05/22
テツ
25
シリアルキラーについての全て。彼らの犯行の模様。そこに至るまでの理由。彼らを追い詰めるための操作とプロファイリング。そして逃げるための方法。硬質な文章でまるで教科書の様に書き連ねられた知識は好奇心を刺激する。彼らを単純に「越えてしまった」人間としてカテゴライズしてしまえば簡単なのだけれど越えるにはやはり何かしらの理由があるし、理由があっても踏み止まることの出来る人間もいる。結局は個人的な素養に大部分が左右されるんだろうか。2017/07/20
橘
6
ドラマチックなイントロに続く、予想外に硬質な文章の事例史と分析集。その数の多さにも感心するが、何が凄いかって?最後の最後に、怪物との闘い方を伝授してくれること!2016/02/14
ゆずこまめ
4
シリアルキラーってなんで生まれるんだろう。本書によると、どうやら環境だけの問題ではなさそう。 通して読むと怖くなるので、シリアルキラーから逃れる方法が載っているのはよかった。 とりあえず、直感を大事に少しでも違和感を感じたらすぐに逃げよう!2018/10/26
JunTHR
3
逮捕前のチカチーロと偶然にも遭遇したことがあるという書き出しから始まるが、本文はそんな情緒的なものでなく、とにかく教科書のように盛りだくさんに情報が詰め込まれてる。シリアルキラーの定義、犯行様態、分類、捜査、プロファイリング、さらには逃げ方まで。真面目に読んでいると疲れるほど(そして訳がちょくちょく引っかかる)ので、面白いとこだけ集中して、興味深いエピソードを拾いつつ、苦労しながら読み終えた。とはいえ、とにかく幅広くカバーされているので、その意味では面白いし、有用かと。2016/01/24