内容説明
夜霧の世紀末ロンドンに名探偵ホームズが目撃したものは―猟奇殺人、植民地戦争、女権拡張と労働争議、美女の噂とボクシング、あるいは優生学、進化論、そして神秘思想など、多種多様な思惑がうごめく大英帝国の素顔だった。時代の波に翻弄されるホームズの航跡を辿り、今日の消費社会を先取りした大英帝国の虚実をリアルに抉る画期的世紀末文化論。芸術選奨新人賞受賞、日本シャーロック・ホームズ大賞受賞。
目次
1(ベイカー街221Bの政治学;ドイル家の秘密 ほか)
2(『ストランド・マガジン』;画家リチャード・ドイル ほか)
3(大英帝国の中で―コナン・ドイル略年譜付き;戦争屋 ほか)
4(避妊とスピリチュアリズム―アニー・ベザント;スピリチュアリズムと進化思想 ほか)
著者等紹介
富山太佳夫[トミヤマタカオ]
1947年生まれ。東京大学文学部英文科修士課程修了。現在、青山学院大学文学部英米文学科教授。専攻:イギリス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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