内容説明
競走馬と、そこに自らの想いを重ねる人々の物語をあざやかに描き出す。競馬を愛するすべての人にささげられた珠玉のエッセイ集。幻の名著、待望の復刊!
目次
ああ、あたしのトウショウボーイ
テンリュウ恋しや、ほうやれほ
十六年目のビギナーズラック
スダホークの最後の戦い
芦毛倶楽部某重大事件
ホワイトストーンの遺稿
秋篠寺のホクトミスワキ
ウインドミルの瞳と南部杯
賢治のサラアブレツド
ウッドバインの謎の馬
シービーの夢、ルドルフの希望
ノボルトウコウの恋
著者等紹介
山本一生[ヤマモトイッショウ]
1948年生まれ。近代史研究家、競馬史研究家。東京大学文学部国史学科卒業後、石油精製会社に勤務する傍ら、競馬の歴史や血統に関して執筆活動を展開。97年よりフリーとなる。『有馬頼寧日記』の編集に加わり、その後は戦間期の日記を読み解く作業を行っている。『恋と伯爵と大正デモクラシー―有馬頼寧日記1919』(日本経済新聞出版社)で第56回日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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百木
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普段何気なく眺める戦績表だけど一走一走にその馬のバックボーンがあり、その馬に賭けた、或いは賭けなかった人達の人生の一端がある。過去を振り返って戦績表を見る時それらは過ぎ去った過去の墓標でもある。そういう感傷をストレートに書いているエッセイ集。「六十九回走って、六十九行で競走馬としての軌跡は記されていた。墓碑銘のようなものだった。希望も夢も、落胆も憂いも、喜びも悲しみも、そしてノボルトウコウの恋さえも、その六十九行の墓碑銘中に埋まっているはずだった」(p.207) 2015/07/26
最終バック九番手
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馬齢表記改訂前の話だからそもそも違和感だらけなのは仕方ないにしても作者の感傷がどっぷりつまっていて読んでるほうがだんだん気恥ずかしくなってくる…第1刷発行:2014年1月31日…本体1900円2014/06/27
巽霞月
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エッセイ?小説?よくわからないけど、「ウィンドミルの瞳と南部杯」、「賢治とサラアブレッド」は何度読み返しても良い。宮沢賢治を、馬に着目して書いたものは初めて読んだ。2021/06/09