内容説明
アメリカで高い評価を得るイラストレーター、デイビッド・スモールの回顧録。
著者等紹介
スモール,デイビッド[スモール,デイビッド] [Small,David]
1945年、デトロイト生まれ。作家・イラストレーター。1997年、アメリカでその年に出版された、最も優れた児童向け絵本に授与されるコールデコット賞を受賞。また同年、妻で作家のサラ・スチュワートとの共著『The Gardener』でクリストファー賞を受賞。その後2001年、2013年にもコールデコット賞を受賞しており、著書・挿画ともに非常に評価の高い注目のイラストレーター
藤谷文子[フジタニアヤコ]
1979年、大阪生まれ。女優・文筆家。13歳で女優デビュー。2000年には自らの小説『逃避夢』を映画化した『式日』で主演をつとめた。現在は日本とロスアンゼルスを拠点として、女優業以外にも小説執筆など幅広い活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
6
幼いころから傷を抱えた少年の成長記。傷は、母との関係からもたらされる心に残るものでもあり、首に出来た腫瘍を切り取った後に出来た身体の傷でもある。両者は溶け合ってひとつのものとして成長して、少年は家族ではない他者から、真実を告げられることで救いを得る。薄暗く広がる陰影の巧みさと手書き文字での独白と台詞が、なにもかももやにかかったような過去の回想の表現として素晴らしい効果になっている。最初は読みにくく感じましたが、読み進めていくとやめられなくなりました。良かったです。2014/02/18
waraby
4
2009年に出版された David Small のグラフィックノベル。当時話題で原書も買って読んだんだけど、まさか邦訳は出るまいと思っていた。そしたら、青土社から2013年に出ていたとは! 邦訳出版についての話は、訳者あとがきにかかれている。好きな絵本作家が、こんな少年時代を過ごしていたというのは、とても不思議で、でもどこか納得している自分もいる。訳者の藤谷文子さんは、女優・文筆家。2015/04/07
bumblebun
2
『スティッチ』というタイトルは目にしていたけど、ディズニーの本だと思っていた。デイビッド・スモールの自伝だとは。 スモールを知ったのは『リディアのガーデニング』が最初。あの明るくて、温かい絵本をつくった人がこんなすさまじい少年時代をすごしていたなんて。 「君のお母さんは君を愛していない」 この言葉が子どもを救うこともあるんだ。 あらためて『リディアのガーデニング』を読むと、むっつりしたおじさんや、壁に囲まれた都会の生活に込められた思いを感じる。2014/01/23
千利休
1
途中まで。非常に映画的で膨らみのある余白。2021/03/27
香月謙信
1
最初は絵本的なものかと思って読んでいた。読み進めるとずっしりと重く、心から離れないモノクロの絵とモノローグ。6歳の頃、私は何を考えて何を見ていたろう。覆い隠していた自分の心の底も少し覗いてしまったような、そんな気になってしまう不思議な本。2014/08/20