内容説明
膨張したり振動したり回転したりする宇宙、タイムトラベル可能な宇宙、物理法則が時と場所によって変化する宇宙…アインシュタインの相対性理論以後、かつての世界観を完全に覆す。驚くべき宇宙論の仮説がつぎつぎと登場し、そして、ついに私たちは、この宇宙以外にも無数の宇宙が存在するという「マルチバース」の理論に出会うことになる。量子力学、反物質、ひも理論、人間原理、余剰次元、ダークマター、宇宙定数など、人類が長年挑んできた宇宙の謎のすべてを語りつくす決定版!
目次
第1章 よい時によい場所に
第2章 コペルニクス以後
第3章 アインシュタインの宇宙
第4章 予想外の宇宙―宇宙論のロココ時代
第5章 全然違う宇宙
第6章 定常宇宙とビッグバン
第7章 ありのままの宇宙
第8章 初めてのはじまり
第9章 いくつものすばらしき新世界
第10章 ポストモダン宇宙
第11章 周辺的な宇宙
第12章 暴走する宇宙
著者等紹介
バロウ,ジョン・D.[バロウ,ジョンD.] [Barrow,John D.]
ケンブリッジ大学教授。天文学者、数理物理学者
林一[ハヤシハジメ]
1933年生まれ。昭和薬科大学名誉教授
林大[ハヤシマサル]
1967年生まれ。東京大学経済学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
142
題名から想像して、捨て去られたゲテモノの宇宙論ばかり集めたキワモノ特集かと思っていたが、科学者たちの真摯な発想の歴史がつづられた良書だった。ある宇宙論が破綻した理由も説明され、次にどういう発想が現れたか歴史が垣間見える。論理学で有名なゲーデルだが、宇宙論でも活躍していた。科学の歴史は地層のようなもので、見ないですごしても問題ないものだがその中には人類のたゆまぬ努力の痕跡が残されている。2018/05/21
kthyk
14
なんと、この世には沢山の宇宙があることか!プトレマイオス、コペルニクス、ニュートンまでは、まぁ理解できるが、アインシュタイン以降は様々過ぎる。運動する宇宙、振動する宇宙、捩れた宇宙、フラクタクル宇宙に波打つ宇宙、熱い宇宙、乱流宇宙、インフレーションやランダム宇宙・・・。まだ読み切れていないが「数学と想像力」を書いたエドワード・カスナーの甥の話が面白い。画期的な検索エンジンGoogle.com、その由来は9歳の彼が10^100をGoogolと言ったことにあるのだが、登録時スペルを間違えGoogleとなった。2022/09/08
roughfractus02
7
宇宙論の探究は宇宙観を揺るがす事態を惹起する。宇宙の構造を科学的に問う時、そこにはあるのは驚異や讃嘆の念だけではない。ニュートンの万有引力の法則はアリストテレスやプトレマイオス以来の西洋の宇宙観を変えたが、アインシュタインの登場は宇宙論レベルで新たなバーションを導出し、その科学的探究の中で、宇宙観の転回を誘発し続けている。本書は、アインシュタイン方程式(万有引力の重力場への拡張)から導出されるビッグバン、インフレーション、マルチバース等のいくつかの宇宙論の紹介しつつ、読者が信じる宇宙観そのものも揺さぶる。2018/01/16
yooou
7
☆☆☆★★ 宇宙論の拡張というか、概念の成長・発展には目を見張るものがありましたが、後半の哲学論的な部分ではかなり置いてけぼりを食いました。難しいー。2014/01/05
河童
3
アインシュタインの方程式が示した宇宙観、その枠内で様々な宇宙観が展開されてきて、いまもその枠組みは変わらない。 でも穿った見方をするなら、アインシュタイン以外にも沢山の天才がいて、彼らによって今の宇宙物理学がなりたってきた。この本にはそうしたたくさんの天才物理学者の名前がでてくる。 それにしても人間の寿命って短い。一人の天才が、この宇宙の謎をすべて解き明かすのは不可能。でも、新たな天才がそれを受け継いでさらに謎解きに挑戦してくれる、それが人間なのか。私が生きているうちにどこまで解明されるのか期待。2014/04/16
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