内容説明
クマと犬の区別がつかない小さな女の子のコミカルな誕生日。郵便配達夫と一緒にでた旅で知る「世界」の真実と、ビー玉のなかの反転世界の森の秘密。童話から逃げ出したオオカミの恐怖。幼稚園へのお引っ越しで見つけた、おいしそうなカレーの島への冒険。国語の時間は寝てばかりの謎の転校生は誰なのか?隣町にいるという「自分」を探しだす遠征の結末は?キツネの大長老に「化けた」女の子はタヌキを従え、夢幻少女はパノラマ世界で虹を目指す。そして、浜辺に漂着した机のひきだしの中身は少女に何を見せたのか…。ファンタジー世界と日常とのはざまで、成長へと向かって小さくジャンプする幼い魂たち。「日常系」メルヘン漫画の大傑作。
著者等紹介
大庭賢哉[オオバケンヤ]
主に児童書の挿絵画家として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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吉田あや
69
不思議が日常と地続きだった子供の頃の視点が詰まった大庭さんの世界。広げればそこは誰しもが子供の頃に体験した少し不思議がいっぱい。ほんのり怖くて、毎日が発見と驚きに満ちていたあの頃の心のアルバムを見ているようで懐かしい。夜の森も、みんなが寝静まった後のおもちゃたちの楽しい時間も、いつか見つけるはずの虹の端っこも、心の時間を少し巻き戻せば、いつだって不思議はすぐそこに待っていてくれる気がしてくる。反転した世界の柔軟さを思い出せる万華鏡のような短篇たち。2020/02/13
はる
19
児童文学の挿絵などで活躍している大庭さんの短編漫画集。ストーリーはちょっと甘さを感じますが、大庭さんの柔らかな筆がほのぼのとした優しさに溢れています。ちょっとジブリっぽい感じですね。なかなかです。2013/10/10
まみ
16
木のトンネルをくぐるとトトロがいた、みたいなお話。ほんとはすぐそこにあるのに、おとなになったら見えない世界。読み終わって、装幀もすてきだな、見返しの紙の色が絶妙・・・あ、花布が金色・・・もしかしたら、と奥付を見たら、やっぱり名久井直子さんでした。ほれぼれ。2012/05/16
mntmt
15
漫画ストーリー集。絵がかわいい。子どもが主人公で、少し不思議なお話でした。「隣のミミ子」が良かった。2016/05/03
サルビア
13
この絵はどこかでみたことがあるぞ、と思いながら、読み進みました。お話の内容は子どもが主人公のお話が10話。どの作品も子どもの夢のような幻想的なお話。最後になって、作者の名前を見て、あっ、シノダ!チビ竜のお話の挿し絵の方だと思い出しました。夜に一話ずつ味わいながら読むのにぴったりの本です。2017/07/10