内容説明
「英雄」ナセルの台頭から、ムバーラク政権の終焉に至るまで、激動する世界につねに翻弄されてきたエジプト。2011年の革命までの歩みを辿りなおすと同時に、今後の鍵を握る新世代の動向を追うことで、エジプトの、ひいては世界の展望を開く画期的著作。この国を知らずして、世界は語れない。
目次
第1章 エジプト世界
第2章 ナセルとアラブ民族主義
第3章 イスラーム教徒
第4章 自由主義的な資本主義の興隆
第5章 エジプトのキリスト教徒
第6章 ムバーラクの時代
第7章 エジプトの若者たち
著者等紹介
オスマーン,ターレク[オスマーン,ターレク][Osman,Tarek]
エジプト生まれ。カイロ・アメリカン大学やイタリアのボッコーニ大学で学ぶ。ヨーロッパ・中東の数多くのメディアに寄稿
久保儀明[クボヨシアキ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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可兒
3
エジプトの近現代史について、通り一遍のことを学んでから読んだ方がいいように思う。著者は入門書をめざしていたようだが、入門でこれを読んだら(確かに深く理解できるとは思うが)個々の政権に対する政策重視の教科書的説明とは違う視点を提示されたショックを覚えないまま深入りしてしまうんじゃないか。そんなことを思った2012/05/25
takao
1
ふむ2025/03/23
Masayuki Shimura
1
[巨像か、虚像か]「自由主義的世俗重視派」(この言葉がどこまで的を射ているか定かではありませんが......)から見たエジプトの歴史がどのようなものかを確認するためにうってつけの一冊。1950年代から今日までの流れが、政治や外交のみならず、社会や文化といった文脈を含めて概説されているので、エジプトや中東に興味のある方はまず本書を手にとってみると、見取り図が描きやすいかと思います。2016/01/08
むとうさん
1
エジプト現代政治史とその持つ意味とは。さらにイスラームとキリスト教が共存(できているかは微妙だということだが)する場としてのエジプトの重要性。エジプトがたどってきた3つの政権はそれぞれアラブ諸国の様々な政権体制の各パターンに対応する、というのは興味深い。経済が自由化する時にゆがみがあると常に生まれるのが「利権」で、それがエジプトのここ30年以上を支配してきた。そこからの脱却を目指したということ。ただ利権を一掃したからといってみんな(ここでは「一般市民」)が幸せになるとは限らないのもまた事実。2012/03/12
Kenji Suzuya
0
小見出しもなくダラダラと続く記述で、読みづらいことこの上ない。そこは訳者独自の判断で小見出しをつけていくなどの工夫が必要なのではないか。ただただ日本語へと翻訳していくだけなら、訳者の価値は殆ど無い。2013/04/20