内容説明
あらゆる人間的なものに激怒する「天使」たちと、望みなく敗走する敗走者たち、社会に内属できず“外”に生きる者たちのコンパッション。イーストウッドの「陥没」、タランティーノの「絶望」、大岡昇平の「敗北」、フーコーの「肉」と「真理」…世界とその崩壊の緩衝地帯に世界を生成する線を引き続ける作家たちの営みを闘いとして肯定し、新たな「生」として轟かせる闘争宣言。長篇書き下ろし論考収録。
目次
敗走者の生と真理―大岡昇平をめぐって
名付けと視線の錯乱―『歩哨の眼について』の分裂
スカー・フェイスの眼光―吉田健一に於ける詩と批評と非物質的なるもの
クリント・イーストウッドは、自由と真理と残酷の映画作家である
死ねない絶望と超薄な「この世界」―クエンティン・タランティーノをめぐって
鏡の魔、或いは砂浜の上の痕跡―en mode sans fin…
著者等紹介
丹生谷貴志[ニブヤタカシ]
1954年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科西洋美術史修了。現在、神戸市外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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