内容説明
深夜のニューヨークで若い女性がむごたらしく殺害された。38人もの近隣住民がそれを目の当たりにしたにもかかわらず、救おうとするどころか、誰も通報さえしなかった。後に心理学の「傍観者効果」説まで生んだ特異な事件の真相とは?ピュリッツァー賞記者がミステリーに迫るノンフィクションの名作、待望の邦訳。
著者等紹介
ローゼンタール,A.M.[ローゼンタール,A.M.][Rosenthal,Abraham Michael]
1922‐2006年。1943年ニューヨーク・タイムズ紙に入社。同編集主幹(1977‐88年)、同コラムニスト(1987‐1999年)、ニューヨーク・デイリーニュースのコラムニスト(1999‐2004年)を歴任。ポーランド取材でピュリッツァー賞を受賞。その後もベトナム戦争、ウォーターゲート事件、イラン・コントラ事件など有名な事件取材で活躍
田畑暁生[タバタアケオ]
1965年生まれ。神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
図書館本。心理学で有名な傍観者効果を扱った本で、無関心そのものは面白かった。しかし、無関心だった人々にもっと取材して欲しかったです。まぁ、取材拒否されていたようなので仕方がないのかもしれませんが^^;2017/01/12
garth
3
「いったい叫びからどのくらい遠ければ、あの三十八人の目撃者を憎むように、自分自身を憎まなくても許されるのだろうか」〈ニューヨーク・タイムズ〉に目撃者の氏名を晒すよう求める投稿が殺到したというのが、あまりにも2ch的正義すぎて笑ってしまう。ああした心情は今生まれたものでもないし、ネットによって加速されたものですらないのだ。2011/07/06
新橋九段
1
非常に貴重な内容では。解説にある通りそのまま受け取るのはまずいが、当時の理解を知る上では重要なものになる。2025/05/29
佐藤エレキテル
1
売るために書かれた本という感想しか思い浮かびません。 問題に目を向けるために書かれたわけではなく、このままでは興味本位でしかないような気がします。 もっと、切り込んで具体的に何を思ったかを書くか資料として詳しく書くかしてくれないと中途半端です。 これなら、責任なく記事を書くブログと同じ気がします。(ブログ悪くいうつもりないですが)2012/02/28
ふたば子
1
自分は安全な家のなかにいて、外で明らかに進行している殺人事件を通報することすらせずにいられるだろうか。被害者が死亡したと知っても自責の念に耐えられるだろうか。それほどの深い無関心(アパシー)を想像するのは難しい。目前で起きている犯罪と遠い国で起きている迫害や虐殺に対する無関心と無反応は、別物であるといえるのか?読後、いよいよ頭のなかに釈然としない靄がかかる。2011/06/12