後期フーコー―権力から主体へ

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  • サイズ A5判/ページ数 341,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791765928
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

『監獄の誕生』以降、権力分析から主体の問題系へと向かっていったフーコー。いまだ議論をよぶ晩年の「転回」を、コレージュ・ド・フランス講義の記録を手がかりに徹底検証。隠された思考の水脈を探りだす。

目次

権力システムのゼロ地点
第1部 『精神医学の権力』講義の射程(精神病院のトートロジー;狂気の真理)
第2部 『主体の解釈学』講義の射程(自己主体化の技法;哲学のビオス)
第3部 パレーシア講義の射程(真理の語りと政治;私たち自身の存在論)

著者等紹介

廣瀬浩司[ヒロセコウジ]
1963年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中途退学。パリ第1大学博士(哲学)。現在、筑波大学人文社会科学研究科准教授。専門はフランス思想、現象学など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レートー・タト

2
権力論から主体化の理論へと移行していく70年代から最晩年に到るまでのフーコーの講義について取り扱った概説書。本人曰くでもあるが、本書の根底にはよく無前提に言われがちな、ドゥルーズのいう「袋小路にぶち当ったフーコー」に留保をおいて捉え直しをはかることが趣旨としてある。何このあっさりしたテイスト、というほどに複雑に絡み合っている後期フーコーの講義をざっくりと説明してくれる。しかしその分講義本体の複雑さとのギャップがあるのは否めない。流れが押さえられていても、個々内容に深く突っ込んでいるわけではない感じである。2011/03/23

えだ

0
フーコーの主体論との初接触としてはやや難解だったかも。権力により制度に取り込まれるプロセス(権力論)と、主体がパレーシアにより新たな制度を切り拓くプロセス(主体論)が実は同じ構図であるという読解は鮮やかでしっくり来た。ただ、フーコー自身がどこまで言っていて、どこからが筆者独自の読みなのかは要注意。というか原典にあたれという話なのだが。「講義録」文庫化してくれないかな…。2021/05/09

ハンギ

0
後期というのはあまりよくわからなかったけど、70年代の仕事についてほぼ半分くらいの分量を占めているのはびっくりした。僕自身はあまりフーコーは変態じみてて嫌いだったけど、その良さもわかるようになったかも。デカルト的主体について一度は距離をとったであろうフーコーが再びデカルトと和解したような印象を持つ。パレーシアやビオスと言ったようなギリシャ語またはギリシャ哲学やラテン語のストア解釈など、フーコーは近代を迂回するために、古代や中世の哲学を参考にしたのは面白かった。2014/03/22

2kz1

0
後期の割にわかりやすくまとめられてて驚く。2011/12/19

IMAGOMSY

0
こんなにやさしく最後のフーコーが読み解けるものなのね〜と納得してしまう程にあっさりとまとめてあって読み手としては大助かり。ばっさりと斬ってある部分について云々というよりも、これだけの分量にまとめきった事に敬意を払いたい。 ただ、よくも悪くもよく纏まった試験範囲のレジュメみたいで面白さという点でははっきりと伝わってこない、しかし参考書としての良書と考えれば文句はないです。

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