内容説明
サナダムシ、マラリア原虫、エキノコックス、ウェステルマン肺吸虫、ビルハルツ住血吸虫……おなじみの面々から耳慣れない連中まで。おもわず感心してしまう驚きの生態や、あまりのおぞましさにゾッとするライフサイクルを、愛情たっぷりに語りつくす。
目次
しょっぱい解決 内なる海
微笑みの国―赤痢アメーバ
ヨルダン・ローズとの遭遇―リーシュマニア
わたしはアフリカに農場を持っていた―マラリア原虫(1)
あるマウスの死―マラリア原虫(2)
親密な関係―カイチュウ
肛門をのぞき見る わが子の―ギョウチュウ
ぶらぶらイヌ―フィラリア
燃えるヘビ―メジナ虫
ほとんどありえないこと―アニサキス〔ほか〕
著者等紹介
カプラン,ユージーン・H.[カプラン,ユージーンH.][Kaplan,Eugene H.]
海洋生物学者。ホフストラ大学・海洋研究所所長。同大学の環境保全学および生態学における特別名誉教授。海洋生物に関する著述でハーマン・メルヴィル賞受賞
篠儀直子[シノギナオコ]
名古屋大学大学院(西洋史学)・東京大学大学院(表象文化論)を満期退学後、東京大学などで非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハパナ
7
寄生虫のライフサイクルを、ケーススタディとして軽快な文章で展開されています。体内に入った後に白血球に隠れるとか本当に勘弁してほしい。卵の飛散方法を読んでいると皮膚がゾワゾワしてきて、ページ間の汚れに敏感に反応してしまいます。愛犬を病院に連れて行く度に目に入るフィラリアの標本。思い出してしまったので暫く素麺が食べ辛い。2016/06/07
GASHOW
6
今年、厚生労働省は、ギョウチュウ検査を終了した。日本の衛生環境から必要がないからという。近代になるまでは、日本は肥料に人糞を利用していたので回虫の多い民族だったという。外国人に日本に来てもらおうと国は考えているが、日本よりも衛生環境の良い国は少なく外国人も外国にいった日本人も多くいる。タオルの使いまわしだけで感染する。ねこを飼っている人はトキソプラズマに感染している人が多いという。うつ病との関連も指摘されている寄生虫は昆虫も両生類も哺乳類にとっても脅威で、この本は十分に怖い話だ。2017/03/27
ふぇるけん
6
なぜか最近寄生虫の本が気になる。。。中間宿主から最終宿主へどうやって移るのか。。。なんと中間宿主の脳に入り込んで、わざと食べられるようにマインドコントロールしてしまうなど、まさにSFの世界のような事実に驚くばかり。また研究室でのゴキブリに関するエピソードなど語り口も面白い。そして手元には『寄生虫なき病』が積んであります。。。2014/10/21
人生ゴルディアス
2
「寄生虫の話」で検索したら出てきたのは『恋する寄生虫』とか『君の話』で、本書が出てこない。無能すぎでは???? また、本書では単位がヤード・ポンド法で統一されている。翻訳者の家のトイレットペーパーが永遠に紙やすりに変わりますように。そして本書はわかりやすいように砕けた文体とあまり詳細に立ち入らない書き方をしたのだろうが、裏目に出ている。ここまで情報省くなら、図や写真を多用すべきだ。グロい? 本書を手に取るような層が怯むかという話ですよ! 『寄生虫なき病』とか良書は他にたくさんある。2020/05/10
ケッヘル(次女)
2
ベテランの大学の先生による、楽しい寄生虫学授業という感じ。2011/10/14