内容説明
なぜ、この三人なのか?明日もまた、アメリカ映画は変わらず続くのか?東京より、愛を込めて。
目次
黒沢清監督に(蓮實重彦)
イーストウッドは何度でも甦る―映画における不気味なもの(それは、いつ、どこで起こっているのか;ペイルライダーはグラン・トリノに乗って;変態する変態 ほか)
黒いスピルバーグの映画史―アメリカ映画の光と影(時代劇作家としてのスピルバーグ;トム・クルーズの顔とアメリカ;白いスピルバーグから黒いスピルバーグへ ほか)
タランティーノ、血塗れの新世界―映画のゆく先(タランティーノの時間処理;カットは切断する;映画の野蛮な力に触れる ほか)
蓮實さんへ(黒沢清)
著者等紹介
黒沢清[クロサワキヨシ]
1955年生まれ。映画監督。東京藝術大学大学院教授
蓮實重彦[ハスミシゲヒコ]
1936年生まれ。映画批評。第二六代東京大学総長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中玉ケビン砂糖
69
『ユリイカ』『真夜中』などで重複してしまうが、映画評論において信頼のおける数少ない雄としてこの二人の著を慎重にセレクト──特にタランティーノ評に注目──ハリウッド映画に関してはハワード・ホークス、ワイルダーあるいはルビッチくらいにしか賛意をもてなくなった蓮實重彦が「現在においては希少な才能」として『デス・プルーフ』『ジャッキー』『イングロリアス』等を讃えているのは意外──オタクじゃないと分からないキッチュかつチープな彼のスタイルが一周して逆にいいじゃんと、いう安易な評価を一喝しているのが確かに爽快、、、2016/06/21
コットン
66
黒沢清監督と蓮實先生がイーストウッド、スピルバーグ、タランティーノを語るという面白さ。『グラン・トリノ』を見ていたので:変態的な凄さや空間を上手く処理するイーストウッドについてが印象に残る。蓮實先生は対談において味が出ると再認識。2019/03/03
王天上
4
映画批評の本を読むようになって、いろんな角度から映画を観られるようになった気がする。以前はストーリーが陳腐だと単純につまらないと思っていたが、最近は日活アクションやロジャー・コーマンの映画が面白くて!感謝。2013/05/29
なつのおすすめあにめ
3
イーストウッドはガンマン的な役者として監督作も理解しようとすると、わからなくなるほど作家性の強い監督。スピルバーグは大作を連発する監督だと誤解すると、『宇宙戦争』などを駄作と勘違いしてしまう。タランティーノはオタクやめた方がいい 笑。 『宇宙戦争』と似た流れを感じた『トウキョウソナタ』がむしろ『デス・プルーフ』に影響を受けたというエピソードは意外すぎておもしろい。2017/07/20
さとう
3
トムクルーズ評が読みたくなったので再読。蓮實「トムクルーズはいまのアメリカできわめて興味深い存在感を持った役者だと思います。彼は伝統的なハリウッドスターのように、キスがうまかったり抱擁がうまかったりする二枚目というのとは違っていながら、そうした役柄もときには演じており、しかも『宇宙戦争』では別れた、しかも別の男の子どもを妊娠している元妻のもとに娘と息子を届けに行くという下層の労働者をやっている。(中略)トムクルーズは融通無碍にどんな役でもやりそうに見えて、『宇宙戦争』のあの役を他のスターがやったのでは 続2015/10/25
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