内容説明
「利他的」でもあり「利己的」でもある親鳥の子育てやアリの捨て身攻撃、「リスク」でもあり「安全策」でもある水棲生物の陸上進出やDNAの突然変異…。生命活動のさまざまな場面で「逆説」が姿を見せるのは偶然ではない。それは生命が生命たりうる究極の原理なのだ。最先端のあらゆる領域を駆け巡り、大胆に生命の謎に迫る。
目次
序章 逆説、選択の力
第1章 創造という内なる対話
第2章 自己の裏側
第3章 全体のための部分、部分による全体
第4章 リスクのある避難
第5章 破壊的創造
第6章 偶然と必然が織りなす世界での選択
第7章 開かれた目的
第8章 選択と自然科学
第9章 知識の限界
第10章 自由という力と重荷
著者等紹介
ワグナー,アンドレアス[ワグナー,アンドレアス][Wagner,Andreas]
ウィーン大学で分子遺伝学を学び、イェール大学で生物学のPh.D.を取得。現在、スイスのチューリヒ大学教授。遺伝子の分子進化やネットワークを研究の対象としている。また、複雑系研究で知られるアメリカ・ニューメキシコ州のサンタフェ研究所で客員教員も務める
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
名古屋工業大学助教授を経て翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うぃっくす
3
生物の世界にも非生物の世界にも根本的に逆説的なテンション(綱引き)があり、それが世界を生み出す上で中心的な役割を与えている。具体的には「物質と意味」「部分と全体」「自己と他者」「リスクと安全」「創造と破壊」「選択と非選択」進化生物学者頭良すぎて言いたいこと40%くらいしか読めなかった。ミクロマクロ両方の視点がある人なんだなと。こういう話見てるといつもぞっとする。自分はただのこの世界の中のひとかけらでどんなに足掻いても行き着く先は死だよって淡々と突きつけられてる気がする。実際そうなんだけど。タフな本だった。2017/01/20
belier
2
生命をテーマに総合的に知を語る。これまで読んできたいろんな本の知識がこの一冊でかなり見られ、著者の知性を感じる。目新しい情報はないが、切り口は斬新な感じがした。ただし翻訳のせいか元の文体のせいか読むのには骨が折れた。読んで損したような得したような逆説的(パラドクス)な気分。無理矢理・・・。2015/04/29
メルセ・ひすい
2
13-33赤24「物質と意味」(物と心)「自己と他者」「部分と全体」「リスクと安全」「創造と破壊」・・どっちが元 ドッチガ優先? パラドクスは どう? テンション(綱引き関係)は?片方ではモノゴト不成立…白か黒? それを生物のさまざまな現象で解明する。生命活動の様々な場面で「逆説」が姿を見せるのは偶然ではない。それは生命が生命たりうる究極の原理だ。利己的な遺伝子から不確実性まで、最先端のあらゆる領域を駆け巡り、大胆に生命の謎に迫る。 2010/04/28
muko1610
0
★★2010/12/19
roxy001960
0
哲学の本だったんだ…。翻訳のせいかもしれないけど、ちょっと読みにくい。物事には必ず二面性があり、どちらを選択して議論しているかを常に意識するという視点には同意します。2010/08/25