内容説明
時代に呼応し、思考を培う思想家吉本隆明が時代の空隙を埋める。
目次
「蟹工船」と新貧困社会
戦後のはじまり
肯定と疎外―課題としての現在
男とは、マザー・シップと見つけたり―あるいは存在を耐えるための軽さ
難しくて易しい問題―関係とはなにか
著者等紹介
吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年東京生まれ。戦後の日本を代表する詩人、思想家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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寛生
44
【図書館】吉本自身の〈宗教性〉のようなものが滲み出ているように感じる。それが彼自身の死活問題から湧き上ってきた独特の思想への姿勢に繋がっているような気がする。「死と取り替える」という表現は「考える事を追いつめること」であり、全身全霊で思考してきたということなのだろう。(85)それは彼の精神性の根底をなし、身体・精神・思考の三位一体が美しく踊り合いながら、吉本を知識人にする。自らへの批判も然る事ながら、あらゆる事象への批評・批判はフコーのそれを思い出させ、それは彼特有の知識人としての〈想像力〉でもある。2014/04/10
Chika
5
大学の先生のお話によく出てきた人なので、まずは1冊読んでみました。インタビュー形式で進んでいくため、読みやすいです。ただし、タイトルと中身全体が合っていない。メインは、吉本氏自身の戦後から現代までの回顧録といった雰囲気。彼の思想に断片的に触れることはできるが、(勉強不足の私には)体系的な理解にはつながらなかった。「あの時にこういうことを考えていたのか」と振り返る本であって、入門者向けではない印象。もちろん面白いなと思う部分はあったので、ぜひ別の本を読んでみたい。2012/08/11
それん君
3
大学の図書館にて読了。 言語はコミュニケーションの手段という今まで高校で習った言語論とは違う、吉本隆明の言語論。 言語の本質は沈黙とする筆者の意見がとても新鮮。 p23「沈黙とは内心の言葉を主体とし、自己が自己と問答することです。自分が心のなかで自分に言葉を発し、問いかけることがまず根底にあるんです。」2017/11/29
Satoru Yonekura
0
吉本隆明さんは全く読んだことが無かったけれど、その最後の単行本の編集者が、葉山や街で何度も飲んでるイカス友人女子だと知ってびっくり。早速読ませて頂きました。氏の60年に及ぶ活動や思想の流れを10年ずつインタビューしていく内容で、氏の名前の大きさ以外は何も知らなかった小生にはちょうど好適でした。とはいえ、さすがに1冊で吉本さんを掴めたとは全く思ってないですけど、次は何を読んだらいいんですかね?2014/06/22
冬坂健
0
著者が亡くなった事で話題になったため、読んで見ました。著者よりもむしろ、インタビュアーの方が、インテリっぽかったね。2012/04/06