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内容説明
歴戦の勇士がごくありふれた殺人事件に震え上がる理由とは。留学先からの娘の電報が留守宅に引き起こした珍騒動。猛吹雪のなかの長距離を極刑を求め自首する殺人犯の真情。凶悪犯に赤裸々に懺悔されるという罠にはめられた神父の困惑…。苦境・逆境にあってこそ輝きを増す人間としての尊厳と品格のさまざまな形を、豊かに描き切ったチャペック特有の情感に満ちたサスペンス・ドラマ。
著者等紹介
チャペック,カレル[チャペック,カレル][Capek,Karel]
チェコの国民的作家(1890‐1938)。プラハのカレル大学などに学ぶ。1921年、リドヴェー・ノヴィニ(民衆新聞)社に入社し、以後ジャーナリストとして活躍する。また戯曲や童話なども執筆し、画家である兄ヨゼフとともに多くの優れた作品を残した
田才益夫[タサイマスオ]
1933年生まれ。演出家・翻訳家。九州大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
10
「ありふれた殺人」は戦争と日常での惨い死の捉え方の違い、「懺悔」は告解の決まりと人間性の矛盾を見事に抉り出しています。「針」は小さな悪意から広がる騒動と裁きは餃子のメタミドホス混入事件などを思い出しました。2012/01/31
三木
4
「それですべてです。」のフレーズを見るたび、それに含まれる冷笑にドキッとしてしまいます。タイトルから文末までセンスがすごいなあ。2010/12/22
ninoseki
2
表題作を読んでチャペックすごいなと改めて思う2010/10/03
rururira
1
カレルチャペックの短編集。肌に合ったのかどの話もわりとさくさく楽しく読めた。 人間の中にある融通のきかなさだったり、感情だったりを描いた作品だなと感じた。2017/12/17
星規夫
1
主体性のない割にエゴばかりが増大した人々が織りなす、ゲンナリするような言い争いを記した「電報」を始め、皮肉の効いた作品が納められている。いいねチャペック。2013/04/30