恋する物語のホモセクシュアリティ―宮廷社会と権力

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791763986
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

中世の物語を、セクシュアリティの視点から読み解く閨房の権力論。

内容説明

宮廷物語では、だれとだれがどんなセックスをするかは、重大事。それは色恋ではなく権力の物語だからだ。

目次

第1部 生む/生まないことと“権力”の再生産システム(権力再生産システムとしての“性”の配置―『とりかへばや物語』をめぐって;帝の“性”―『夜の寝覚』の制度を読む)
第2部 女の欲望を読む(女の欲望とホモセクシュアリティ―『我身にたどる姫君』女君発見譚の系譜から;出家した女の“性”―『とはずがたり』の二条の“性”)
第3部 セクシュアリティの地平(“稚児”の欲望機構―交錯するセクシュアリティ;欲望の物語史―『狭衣物語』から『石清水物語』へ;恋する物語のホモセクシュアリティ―『石清水物語』における“性”の配置)

著者等紹介

木村朗子[キムラサエコ]
1968年横浜市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門は、言語態分析、日本古典文学、日本文化研究、女性学。現在、津田塾大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ひばり

1
ジェンダー論ではなくセクシュアリティ論。あとがきにあるように、この本は「古典文学を扱いながら、現代のセクシュアリティについて考えることを意図して書かれたものである」。宮廷社会における権力を思いもよらない視点から解き明かす手腕に脱帽しっぱなし!思いがけず社会学やセクシュアリティ論まで学べてしまった(フーコーやジュディス・バトラー、セジヴィック、ドゥルーズを引いていて、もうついていくのが楽しくて!)。読書中、こんなにワクワクしながら読んで良いのか?と思ってしまうくらい、楽しいひと時だった。〈あとがき〉の文章2015/10/08

バーニング

1
源氏以降の源氏模倣物語において、登場人物たちはいかに権力に接近し、逆に乖離していったかを<生む性>、<生まない性>という切り口でジェンダー論的に分析していく一冊。現代のジェンダー論やフェミニズムが前提としている女性の抑圧からの解放という流れも、1000年前の世界では違った意味合いを持つ。本書で言うところの、制度としての「性の配置」がいかに違っていて、その違いが数々の物語において多様なセックスを記述しているかを理解することは、現代のジェンダー論への逆照射として面白いかもしれない。2015/04/19

チョビ

0
「セクシィ古文」読んだ人は、好みだと思います。こちらは「恋愛」=「権力」という構図がテーマです。うーん、恋愛は目的とするか手段とするかで人生観は変わる!と改めて感じさせていただいた一冊です。2011/08/11

Abdiel

0
王朝文学に見る、性と権力の再生産システムについて。取り上げている作品は「とりかえばや物語」「夜の寝覚」「我身にたどる姫君」「とはずがたり」「稚児観音縁起絵巻」「新蔵人物語」「狭衣物語」「石清水物語」「風に紅葉」。非常に平易に書かれており、興味深く読み進める事ができた。取り上げられている作品にも興味を持ったので、そのうちきちんと読んでみたい。2008/11/11

Stella

0
「源氏物語の模倣」って言われがちなやつも、分析してみると執筆当時の社会情勢なんかが浮き上がるもんだなあ2008/05/19

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