内容説明
モーツァルト、シェークスピアから数学者ポアンカレまで、天才の脳はどこがどうちがうのか。IQと創造性の関係。遺伝子と環境の役割。天才と狂気。子供の才能を伸ばす方法…神経科学と精神医学の最新理論/装置を駆使し、創造する人間の脳の秘密に迫る。
目次
1 創造性の本性―工夫に富んだ、人間の脳
2 歓楽宮を求めて―創造的な人物と創造の過程の理解
3 歓楽宮に到着して―脳はいかにして創造するのか
4 天才と狂気―創造性と脳の病
5 何が創造的な脳を創造するのか
6 よりよい脳を作る―創造性と脳の可塑性
著者等紹介
アンドリアセン,ナンシー・C.[アンドリアセン,ナンシーC.][Andreasen,Nancy C.]
アイオワ大学メンタルヘルス研究所長、医学博士。ルネサンス研究者から転じて『アメリカ精神医学雑誌』編集長を勤める
長野敬[ナガノケイ]
河合文化教育研究所研究員。生物学・生命論専攻
太田英彦[オオタヒデヒコ]
杏林大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mentyu
4
卓越した創造性と統合失調症は近いものらしい。これについては、神がかかりと統合失調症の関係に着目した二分心仮説と関連して興味深く思った。安易な接続ではあるが、何かアイデアが「降ってくる」精神状態と、神がかかりが共通した脳の動きによるものとなると、なかなか面白いなと。もっとも、自分にとっては専門外の領域なので我ながらトンデモではないのかとも思うけど。2018/12/03
Humbaba
4
遺伝と環境。それを完全に区別することは非常に難しい。人間が対象となる以上、やみくもに比較実験を行うことなどできないし、長期的な観察のデータを大量に入手することも難しい。また、長期的な観察データがあったとしても、養育者自身が様々なイメージにとらわれている以上、完全にそこから自由になったデータは得られない。2014/05/09
しんかい32
4
タイトルはうさんくさいけど、著名な神経科学者が「創造性」について、従来の研究と自己の研究成果を紹介した、良心的な本。知能の高さが創造性の高さと直結しないこと、天才と狂気の関係について(作家の場合は躁鬱病との関連が強く見られるが統合失調症を病んでいるケースはなかった、むしろ科学者と統合失調症に関連が見られるかも)など、なかなか興味深い。きちんと実証されていることはまだ少ないので物足りなさはあるが、何が実証されていて何が仮説にとどまっている話なのか明快に説明されているので好感度は高い。2011/01/22
takao
2
ふむ2021/04/12
kapo54
2
創造性と知性は異なる。創造的な人の知性は高いが、飛び抜けて高いわけではない。この本では、創造性がきわめて高いごく一部の人のことを「天才」と称して、彼らの創造性を脳科学の観点から解明しようとしている。並外れた創造性は通常の創造性と異なる。それは、経験に対して開放的、大胆さ、反抗的、個人主義的、敏感さ、茶目っ気、忍耐強さ、好奇心の強さ、単純さとして特徴づけられる。 2013/11/23