ネオリベラリズムとは何か

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 198,
  • 商品コード 9784791763269
  • NDC分類 309.1
  • Cコード C0010

内容説明

グローバル化する新自由主義=ネオリベラリズムは国際格差、階級格差を激化させ、世界システムを危機に陥れようとしている。ポストモダン社会科学の第一人者が、ネオリベラリズムの起源から現状までを明快に総括し、これを分析・批判するための新しい空間理論を提唱する。

目次

ネオリベラリズムと階級権力の再生(ネオリベラル的転回;ネオリベラルな国家;移植、拡散、転回;中国という独特なケース ほか)
地理的不均等発展の理論に向けた覚え書き(議論の構造;社会的プロセスが「生活のネットワーク」のなかに物質的に埋めこまれていること;略奪による蓄積と価値切り下げ;時空間における資本蓄積 ほか)
空間というキーワード

著者等紹介

ハーヴェイ,デヴィッド[ハーヴェイ,デヴィッド][Harvey,David]
1935年イギリス生まれの社会経済地理学者。オクスフォード大学、ジョンズ・ホプキンズ大学を経て、現在ニューヨーク市立大学グラデュエイト・センター人類学科教授

本橋哲也[モトハシテツヤ]
1955年東京生まれ。東京経済大学教員。専門はイギリス文学、カルチュラル・スタディーズ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

4
新自由主義体制による格差の顕著な露呈が新たな闘争を起こす際に、基本的権利より派生的権利が優先すれば著者の言うような革命に向かうのかはわからない。が、我々の生活に応えない体制には「生の不安」を理論化する必要があるというのは確かだろう。著者はこの体制が73年のチリのクーデタ(奇しくも9.11)に始まり、アメリカ投資銀行の債務不履行を新自由主義体制導入で代替させたIMFとその実行者のシカゴ学派の経済学者が主導した出来事の理不尽さに注意を促し、新たな「原初的蓄積」が形成される場面からIT経済の資本論を説き起こす。2017/02/13

Rusty

4
かなり前に買って途中まで読んでいたのを再開。「地理的不均等発展の~」後半と「空間というキーワード」を読む。ハーヴェイとルフェーブルの空間カテゴリ配列表が分かりやすくて面白い。空間について自分がモヤモヤと悩んでたことが、広がりをもって目の前に現れた。井戸の底から出てきたカエルの気分。2013/12/30

Ecriture

4
70年代、チリに向かったシカゴボーイズや79年のヴォルカー・ショックによって準備された80年代英米の新自由主義化は、上流階級による資本の独占とその権力の回復へと企てられた。1920s~30sのニカラグアを初め、アメリカは敵対する抑圧的な政権を支援して反民主主義活動を行い、ウォール街・米財務省・IMFや、WTO・IMF・世界銀行が弱った国々から「略奪による蓄積」を可能にする構造調整を繰り返してきた。「ネオリベラリズムは徹頭徹尾半民主主義的である」というハーヴェイの主張は一考の価値がある。2013/06/26

tjZero

3
個人の権利や欲望を無尽蔵に肯定する”新自由主義”(①)により、コミュニティの内外がバラバラになる。”新保守主義”(②)は、その分断を軍事力によってまとめ上げようとする。①の欠陥を、②ではない方法で埋めるのが21世紀の課題…ということがよく分かる1冊。2019/12/10

抹茶ケーキ

2
三つの論文集。タイトルについて書いてあるのは一つだけ。後の二つは本職の都市論。ちょっとタイトル詐欺っぽいけど、こっちの都市論の方が正直面白かった。特に空間の9分割とかは汎用性が高そうだと思った。2016/06/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10332
  • ご注意事項

最近チェックした商品