内容説明
アール・デコとチャールストンに沸く時代、ピカソ、フジタ、ルソーといった著名人をはじめ、パリ中を虜にした一人のダンサーは、同時に「人間動物園」で「展示」されていた人種でもあった―、生誕100周年、はじめて明かされるその全像。
目次
序 ホッテントット・ヴィーナス
1 狂瀾の二十年代
2 バナナとミュージック・ホール
3 セントルイス・ブルース
4 黒いヴィーナス
5 人間動物園
6 植民地の女王
7 ラ・クレオール
著者等紹介
猪俣良樹[イノマタヨシキ]
1936年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。NHK国際局フランス語班チーフ・ディレクターを経てジャーナリスト。Groupe d’Informations sur le Vaudeville会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんぐり
27
作家のジョルジュ・シムノンが、興奮のあまり「あの臀は笑っている!」と叫ばせた肉体の持ち主ジョセフィン・ベイカー。1920年代のパリを席捲したアメリカ生まれの黒人ダンサーである。ミュージック・ホールの舞台に登場しては、おどけた寄り目、滑稽なポーズ、激しい腰の動きで観客を魅了し続けた。この本が1920年代のパリのことが中心に書かれているので、その後の彼女のナチ占領下のレジスタンス運動や、ミランド城に孤児たちを集めて創った愛の楽園「レインボウ・トライブ」(虹の一族)のことについては紙幅が割かれていない。2014/01/29
元気伊勢子
9
名前だけは聞いたことがあった。人間動物園なるものがあったとは、初めて知った。いまいち調子が良くなかったので、久しぶりに本を読んで気分が良くなって良かった。2023/04/19