著者等紹介
岸田衿子[キシダエリコ]
詩人。童話作家。群馬県浅間山麓に定住
安野光雅[アンノミツマサ]
1926年、島根県津和野町に生まれる。山口師範学校研究科修了。49年に上京。三鷹市や武蔵野市などで小学校教員をつとめ、61年に画家として独立。68年、『ふしぎなえ』(福音館書店)で絵本作家としてデビュー。ボローニア国際児童図書展グラフィック大賞、国際アンデルセン賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケロリーヌ@ベルばら同盟
64
うつくしい孤独は虚空から吹きつけほろほろと涸れ干からびたわたくしを削り風紋を描く。微細なかなしみが舞い囁かに歌う。はるかに輝くひとつ星、聴いているか紺青のいのりを。天と地にわかたれた半身たちの挽歌。おとぎばなしの姫君の裳裾からこぼれ落ちるなみだいろの宝石。人慣れぬ小鳥が残した羽根。海のはてをめざす可憐な舟の軌跡。夜のさざ波がわたくしを撫で鉤爪でぎゅうっと描いたかのような傷痕にとりどりの欠片を残す。五線譜にちりばめられた暗号。ゆめのなかにとりこほしたちいさな音楽。2019/10/17
しいたけ
52
「雲は永遠に完成しない」 完成を求めず、形をとらず、思いを預けず、孤独を恨まない。凛とした、美しい詩と絵の世界だった。2016/04/16
とよぽん
26
詩と絵が創り出す、1ページ1ページが「作品」と言ってもいいほど魅力的な詩集だった。絵本というより詩集だと思う。心地よい不思議な調べは、まるで音楽だ。2018/10/08
ykshzk(虎猫図案房)
22
クリスマスに自分にプレゼントした本。旅行に行けなくても、この本がどこかに連れて行ってくれる。岸田衿子(岸田今日子の姉)の詩と、安野光雅の絵による。日本のようでいて日本じゃ無い、どこか異国の感じ。でもどこの国かは分からない。近いけど遠いところ。そんな雰囲気がどことなく宮沢賢治と似ていて私はとても好き。「なぜ 花はいつも こたえの形をしているのだろう なぜ 問いばかり 天から ふり注ぐのだろう」他、読み返したくなる詩ばかり。装丁も遊んでいる。二人で楽しく作られたのだなぁと感じられる。 2022/01/11
かもめ通信
18
安野光雅&岸田衿子コンビの『メアリ・ポピンズ』を読んだら、急に懐かしくなって本棚の奥からひっぱりだしてきた。いい本はいつ読んでもいい。2019/03/02
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