内容説明
疎外といっしょにどこ行こう。新自由主義とそれに付随する戦争政策、流動的雇用の腑に落ちない現実で、魂を捨てないために。いま、必要なことはなにか。疎ましい生活のための、反資本主義講座。
目次
愛と暴力の化け物世界へ(恐怖力;プーさんとドキュン;アナキズムとフェミニズムは似ている、性別は違うのでしょうが ほか)
資本主義のキモ(テナルディエ問題とは何か;六〇年前の亡霊にではなく、学生に賃金を;昨今の「ゆとり教育」と労働実話 ほか)
管理社会のシックスセンス(職業、労働、アカの他人;労働者、有罪;社会には窓があってもゴミ箱がない ほか)
著者等紹介
矢部史郎[ヤブシロウ]
1971年愛知県生まれ。著書に『無産大衆神髄』(河出書房新社)など
山の手緑[ヤマノテミドリ]
1970年埼玉県生まれ。著書に『無産大衆神髄』(河出書房新社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yc
4
この本はどこからでも読むことができる。著者の二人はまさに「問われなければならない問い」を思考し、「問うことしかできない問題」を直視している。認識をいかにして解釈へと向かわせるか。10年経った今でも色褪せることがない名著である。2016/01/08
N
3
学生、主婦、非正規労働者、子供など現代の資本主義社会の中で「立場」を持たない者たちに焦点を当ててこれからの社会のあり方について考察が行われている。 「失業者には他をおいてやらなければならない仕事があり、その仕事のために賃労働の世界から退場するのである。失業者や非正規労働者が何もしていないように見えたり、遊んでいるように見えるのは、それは眼が腐っているからだ」(P.191) 本を読むこともまた「非正規」な人間の仕事なのだと思う。 2017/04/29
檜田相一
1
この新自由主義社会がもつあらゆる醜さと残酷さに対する告発。ディズニーランド、ゆとり教育、落書き裁判、禁煙、管理社会。「安心・安全なまちづくり」や「共生社会」のような耳障りのよいメッセージにこそ暴力性が内包されている。筆者は常に社会に立場をもたない人に、行き詰まった現状を変革する可能性を見いだす。正規の労働組合による団体交渉だけでなく、ひとりのやけっぱちな非合法の「暴力」が資本を根本から揺るがす。 2006年の本なので少し題材は古いが、それでも著者が現代社会に向ける刃の鋭さはわずかにも鈍ってはいない。 2022/11/19
Tom
1
書店で何気なく手に取った。奥付を見たら2006年の本。小泉政権の時代だ。初版なので小口とかすげーシミ付いてたけど、ペラッと読んだら面白そうで買っちゃった。章タイトル「プーさんとドキュン」。ドキュンという響きが懐かしい。ディズニーが刻まれた商品ってセンスを試されない、究極に「無難」なモノだ。「電車男」というワードにも懐かしさをおぼえる。俺はチャングムを見てたからドラマは実際に見たことはないが、内容はだいたい把握している。こんな読み解きがあったのか。テナルディエ問題。面白かったので他の著書も読みたい。2021/04/27
鬼束
1
勢いだけで書き殴ったようなアンソロジー2020/08/03




