エリック・サティ覚え書 (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 1冊/高さ 22cm
  • 商品コード 9784791762149
  • NDC分類 762.35
  • Cコード C1070

内容説明

しなやかで豊かなメロディの“白い音楽”あるいは“環境の音楽”を通じ、西欧音楽の堅強な伝統に小気味よい関節外しを食らわせ、ますます人気沸騰の奇才音楽家サティ。二十世紀音楽の先駆者のおかしみに彩られた生涯とその時代を、多角的な視点から捉える鋭意の評論。

目次

サティにおけるユーモアの弁証法―その言葉と音楽の見えない方程式
音楽のなかの言葉―サティの隠された方程式への解読試考
右と左に見たもの(眼鏡なしで)の思想―またはダダのなかのサティとブルトン
音響測定家サティと光測写師マン・レイの出会い
エリック・サティと坂口安吾
エリック・サティ、人と作品
『健忘症患者の回想録』
サティ詩抄
メドゥーサの罠
サティ日記抄
サティ作品へのノート(ピアノ曲、その他の作品、劇音楽・舞踊・バレエ音楽、歌曲、家具の音楽)

著者等紹介

秋山邦晴[アキヤマクニハル]
1929‐1996年。東京生まれ。早稲田大学仏文科中退。内外の二十世紀音楽を専攻。多摩美術大学教授として教壇に立つ。サティ研究の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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片瀬

14
サティの悪戯な諧謔精神を論じた「サティにおけるユーモアの弁証法」や、彼の生涯がわかりやすく書かれた「エリック・サティ、人と作品」等の文章や、サティ自身の戯曲・詩、また、全作品解説など盛りだくさん。なかでも、著者の欧州・サティゆかりの地を巡る「サティ日記抄」が絶妙でした(ブルトンのサティ論はここでの戦利品だったという)。覚え書、ということで本書の中でもかなり内容が重複(ドビュッシーとの「梨の形をした3つの小品」のエピソードは4回ほど)しますが、お気にせず。決してサティの「ことばの奴隷」にならぬようご注意を。2015/01/05

くまこ

4
再読。いつ読んでも、一編の映画を見終わったような錯覚におちいる。ページをめくるたびに、楽譜に書かれたメモや落書きが、音楽になって、子犬や子猫みたいに転がって飛び出してくる。サティの楽譜、写真、イラストといった資料が豊富で、著者のサティ探訪旅行日記まで収録されてるし、単なる伝記・評論集じゃなくて、サティへの愛を綴ったラブレターみたい。エリック・サティを全く知らない人でも、楽しんで読めるし、読んだ後、サティの音楽を聴きたくなると思う。2013/12/18

はにまる

3
究極のサティ本。サティは神秘的な響きの曲を聴くのも好きだが、奇妙な曲名(「(犬のための)ぶよぶよした本当の前奏曲」)や奇妙な演奏指示(「歯痛で悩むうぐいすのように」)がたまらなく好きで、楽譜を見るだけでも楽しい。ダダイズムとの関わりは知られたところだが、ルイス・キャロルが好きだったいうのには納得。本邦では坂口安吾が逸早くサティを紹介していたり、周辺のエピソードも興味深い。圧巻の全曲解説を読みながら、今まで聴いてこなかったシャンソン曲など含め、Apple Musicで全曲を聴きまくってる。いい時代だ2020/03/21

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