戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ

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  • サイズ A5判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791762019
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0070

内容説明

戦後文化に刻まれたビート。黒沢明、裕次郎、そして若松孝二からアニメまで。五木寛之、倉橋由美子、中上健次、平岡正明、筒井康隆、村上春樹、そしてジャズ喫茶からジャズ革命論まで。ジャズはいかに受容され、いかに多くの表現者たちの源泉となってきたか―。日米のジャズ、文学に通暁するこの著者にしか書けなかった、異色のジャズ文化論書き下ろし。戦後カルチャー論の空隙を突く野心作。

目次

第1章 自由・平等・スウィング?―終戦前後の日米ジャズ再考
第2章 大衆文化としてのジャズ―戦後映画に響くもの
第3章 占領文学としてのジャズ小説―五木寛之の初期作品を中心に
第4章 挑発するジャズ・観念としてのジャズ―一九六〇‐七〇年代ジャズ文化論(1)
第5章 ジャズ喫茶解剖学―儀式とフェティッシュの特異空間
第6章 破壊から創造への模索―一九六〇‐七〇年代ジャズ文化論(2)
第7章 過去の音楽へ―近年のメディアとジャズ文化

著者等紹介

モラスキー,マイク[モラスキー,マイク][Molasky,Michael S.]
1956年米国セントルイス市生まれ。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学科博士課程修了(日本文学で博士号)。ミネソタ大学アジア言語文学部準教授。専攻:現代日本文学。とくに日本・沖縄戦後文学を中心に幅広い視野と精緻な分析力で研究。70年代からのべ10数年にわたって日本に滞在。ピアニストとして東京のジャズ・クラブなどに出演することもある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひばりん

5
アメリカ人であり、自らもジャズ喫茶で演奏するプレイヤーの立場から、社会学的に日本のジャズ史を総括する一冊。日本におけるジャズ観が、アメリカにおけるジャズ観ともズレながら、独自文化として熟成されてきたことが力説される。淡々と歴史が分析されるかと思いきや、後半に入って阿部薫氏への愛に溢れた批評が展開されるところは読み応え十分。タモリが取締役を務めたジャズ喫茶も、コロナ騒動で閉店したとニュースで聞いた。日本に根付いた草の根ジャズ文化が終焉に向かうのか、それとも?あらためて歴史を再訪すべき時期が来ている。2020/08/05

子音はC 母音はA

2
戦後にジャズが日本でどのように受容されていったかを映画や文学の表象批評、関係者のインタビュー等を通して読み解く。ジャズの音はレコードやCDなど再生可能な媒体ではなく生の音で受容すべきという記述が所々ある。多様なジャズ論の引用が乱舞する。2014/07/22

Mitsutoshi

1
石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」もそういえばジャズだね!このころはジャズは日本では不良の音楽なんだ。五木寛之の「さらばモスクワ愚連隊」もベースにジャズがある。このころからジャズは少し複雑に解釈されているのかな。60年代・70年代にはジャズ喫茶が独特の文化圏をつくっていた。この空間が生んだ日本ならではのジャズ文化はジャズを高尚にはしたが、複雑に近づきがたいものにしたかもしれない。ピンク映画からジャズ喫茶までジャズが与えた文化的な影響は小さくないということがわかる。2013/12/24

redlorry

0
ジャズ好きな外国人がジャズを通してみた戦後日本の昭和史だ。よくここまで調査した。賞賛に値します。2017/06/29

sviurr

0
日本におけるジャズの受容について。ジャズ喫茶の話は世代が違うのでピンとこなかったがフリージャズとピンク映画の関わりとか、黒澤映画におけるジャズの位置づけなど興味深い。2013/09/27

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