内容説明
哲学の臨界で考え、斃れたフーコー。文学の臨界で書き、自殺した三島由紀夫。観念ではなく物質としての“不在”を浮上させた二人の思考を“死”“恋”そして“島”において初めて出会わせ、「日本」と「グローバリズム」を迎え撃つ、強靭にして柔らかい思想/文学を検証する。
目次
序章 「何もない」が現れる
1 ミシェル・フーコーによる哲学史(神は細部に宿りたまう―マイスター・エックハルトからフーコーへ;分け前―カントからフーコーへ)
2 三島由紀夫による文学史(三島とリアリズム;成熟の年齢―吉本隆明と三島由紀夫)
3 “恋”と“死”(死ぬことと見つけたり―『葉隠』と三島由紀夫;孤島と恋、そして散‐歩―新たなるバロック;クローンのファンタズマ―フーコー以後の「福祉社会」)
終章 幽霊論
著者等紹介
丹生谷貴志[ニブヤタカシ]
1954年生まれ。東京芸術大学卒業。神戸市外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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