内容説明
世界で最も古い宗教であると同時に、最も新しい宗教ともいわれるヒンドゥー教は、素朴な民衆信仰から高度に洗練されたブラフマン哲学まで、さまざまな時代、さまざまな文化の宗教、民俗、思潮を合流し、多様な展開をとげて、宇宙や生命への深い省察と、それにいたる実践を育んできた。―現代の平和運動やスピリチュアル・ムーヴメントに多大な影響を与えつづけるインド的思考の源泉。
目次
1 現代ヒンドゥー教の世界
2 ヒンドゥー教のルーツ
3 ヴェーダ後期とウパニシャッド期
4 神々と献身的信仰
5 政治的・社会的変化
6 ヒンドゥー教寺院、イコン、礼拝
7 社会的義務と通過儀礼
8 新しい風と現代ヒンドゥー教
著者等紹介
ワング,マドゥ・バザーズ[ワング,マドゥバザーズ][Wangu,Madhu Bazaz]
ピッツバーグ大学にて宗教学の哲学博士号を取得。同大学で教鞭をとる。またアーティストとしていくつかの受賞歴をもち、ヒンディー語の教師でもある
山口泰司[ヤマグチヤスジ]
1941年生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。現在、明治大学教授。哲学専攻
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感想・レビュー
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匙
20
学生向けのヒンドゥー教の入門書。ちょうど探してたやさしさの概説が読めて満足。神々の伝説の部分は楽しいけど、カーストの説明は読んでいて苦しくなる。さらっとだが、ヒンドゥー・ナショナリズムやアメリカでの動向も説明されていて良かった。全体に筆致が柔らかく、肯定的。2022/11/27
牛タン
2
ヒンドゥー教の概説。初学者にもわかりやすかった。ヴィシュヌの化身<アヴァターラ>の神話とかとても面白かった。シヴァ神とか結構後の時代だったり仏教の素地となる思想(カルマ、サンサーラ、モークシャなど)がヒンドゥー起原だったのは知らなかった。以下メモ。アーリア人によってインダス・ガンジス川地域にもたらされたヒンドゥー教。ヴェーダ、ウパニシャッドが編纂された初期、スートラ、シャーストラ、プラーナ、叙事詩などの編まれた時期、イスラームの支配期、イギリス統治時代、ヒンドゥーナショナリズムの時代。2019/07/09
晴れ女のMoeco
2
ヒンドゥー教に関する入門書としてはおすすめ。2010/07/23
★★★★★
1
タイトルどおりヒンドゥー教の本。The概説書といった趣で、まぁ最初の一冊にはちょうどよいのかも。もっと参考文献リストが充実していると良かった。2010/10/26
yanapong
0
初学者でも分かりやすいヒンドゥー教概説書。思想や歴史だけでなく、近現代の動向にも触れる。2010/12/22