内容説明
親からの虐待や無関心が、子どもたちの魂を殺す―児童虐待によるトラウマの治療に新しい道を拓いた精神分析家が、その病理と療法を詳述。豊富な臨床例や文学作品を題材に、虐待の記憶と空想の見分けがたさ、症状としてのナルシシズムやマゾヒズム、治療への足どりまでを具体的に明らかにする。
目次
第1部 魂の殺害の展望(運命的な贈り物;精液のにおい ほか)
第2部 魂の殺害の背景(「愛の状態という固定した強迫観念」―プルーストとフロイドが、賢明でもあれば間違ってもいるところ;フロイドの「子どもがぶたれている」への解説)
第3部 文学的実例(アルジャーノン・スウィンバーン―ぶたれることを欲していた子ども;蛾と母親―エリザベス・ビショップ)
第4部 「そんなことが本当に起こったのだろうか?」(ナルシシズムの病理―親の弱さに由来するもの;殺人、暴力、そして魂殺害―「そんなことが本当に起こったのだろうか?」とセラピーに関する一考察 ほか)




