内容説明
9・11以降、壮大に構築することは罪悪なのか。超高層ビルが瓦礫化する現場を目撃し、廃墟トラウマと虚無感に苛まれる建築家たち。大震災とテロの記憶を思索の中心に据え、構築することの意味を根源から捉え直す―。建築思考の可能性に賭ける熱き提言と分析。
目次
序 テロリズムと建築―あるいはWTCのパラドクス
1 空転する都市(ユニット派批判―「崩壊」の後で 1;反フラット論―「崩壊」の後で 2;パールハーバーから遠く離れて―一九四一年生まれの建築家たち ほか)
2 事件と都市(二つの都市の死―阪神・淡路大震災と世界都市博覧会の中止;ビエンナーレの瓦礫―ヴェニス・ビエンナーレ建築展の日本館;廃墟論―ウィーンと神戸 ほか)
3 死と虚構の中の建築家たち(時間の崩壊―隈研吾論 1;透明な死―隈研吾論 2;時間のない世界―栗生明論 ほか)
著者等紹介
飯島洋一[イイジマヨウイチ]
1959年東京都生まれ。1983年早稲田大学理工学部建築学科卒業。85年同大学大学院修士課程修了。建築評論家/多摩美術大学助教授。96年、日本文化デザイン賞受賞。99年度アーキテクチュア・オブ・ザ・イヤー展プロデューサー
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