内容説明
アウシュヴィッツ以後の現代建築ですら払拭しえない、空間の効率化と合理性という、死の工場に通底する思想と発想―。ナチス的欲望とは、建築のみならずわれらの文化に隈なく遍在する現象なのか。現代建築の核心に鋭利に迫り、新世紀の文化の究極を追求する。
目次
二つの忘却―ピーター・アイゼンマンの「ホロコースト・メモリアル」
悪霊の列車―ルドルフ・シュタイナー
庭が消えた―エコロジーとアウシュヴィッツ
危機の時代の表現―マニエリスムの建築
サイバーの息子―近未来都市の建築
世紀末のミュージアム―「ユダヤ博物館」と「テート・モダン」
二十世紀のスペクタクル―閉鎖生態系について
エリック・ロメールの庭―映画の建築/建築の映画
ベルリンはどこへ行くのか―新首都の意味するもの
ベルリンの「図書館」―ビブリオコーストについて〔ほか〕
著者等紹介
飯島洋一[イイジマヨウイチ]
1959年東京都生まれ。1983年早稲田大学理工学部建築学科卒業。85年同大学大学院修士課程修了。建築評論家/多摩美術大学助教授。96年、日本文化デザイン賞受賞。99年度アーキテクチュア・オブ・ザ・イヤー展プロデューサー
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