内容説明
ピュタゴラスの定理、ゼロの起源、三角法の誕生、ゲーデルの不完全性定理、超数学…。気鋭の数学者が世界を駆け巡り、各地の数学者、天文学者、物理学者たちと、数学史のトピックをめぐって激論。量子力学やコンピュータの中の生命にまで思いをはせ、数学的思考の本質に迫る不思議な冒険物語。
目次
第1部 ホロス(夢の終焉;定理の誕生)
第2部 高等界(アル・ジャブル;天球)
第3部 消失行為(メッセージ;究極の現実)
第4部 思考機関(ズークをホープする;マインド・マシン;コスモスとホロス)
著者等紹介
デュードニー,A.K.[デュードニー,A.K.][Dewdney,A.K.]
ウエスタン・オンタリオ大学のコンピュータ・サイエンスの教授でありながら数学者、環境科学者でもある
好田順治[コウダジュンジ]
京都大学理学部数学科卒業。数学思想史・数理哲学専攻。名古屋学院大学教授と宝塚造形大学を歴任
小野木明恵[オノキアキエ]
大阪外国語大学英語学科卒業
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感想・レビュー
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猫丸
13
ブルバキの主要メンバーのデュドネとは別人のデュードニー氏は計算機寄りの数学者である由。二つの問い「どうして世界は数学にぴったり合ってしまうのか」「定理は発見されるものか創造されるものか」を携えて四人の学者を訪ねる小説仕立て。一般向け数学書にありがちな摘み食い的数学小景の紹介もあるが、主調音はむしろ数理哲学的考察にある。イデア界というに近い「ホロス」なる造語で数(とくに整数が強調される)の織りなす抽象世界を形容している。現実世界はホロスの射影である、との結論に近づいていくようにみえる。2021/02/18
kgbu
1
オチはセス・ロイドの「宇宙をプログラムする宇宙」につながるが、それ以外のエピソードも興味深い。数学がアブストラクト・ナンセンスというにはあまりにも完璧に物理的世界を支配しているのと同様に、本書は小説として読めてしまう割には、数学の本質をえぐり出しすぎの感がある。 あとがきとかで、登場人物のモデルのネタばらしが欲しかったかも。2010/08/21
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- 和書
- 鏡花紀行文集 岩波文庫