内容説明
東西神話伝説逍遙。古代史と神話に深く身を浸し、千年単位で世界を観想する詩人が、動物にまつわる神秘的な伝承の宇宙を逍遙して綴る、典雅で香気溢れる随想集。
目次
亀
鶴
いるか
馬
牛
感想・レビュー
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内島菫
15
亀、鶴、いるか、馬、牛について、エジプトからギリシア、インド、蒙古、中国、韓国、日本等の神話や説話を紹介する。当時の人々が各々の動物に持っていた視点を通して彼らの世界観をも垣間見、また、それらの話がどのように広がったのか、あるいは民族独自の特徴はどういうところにあるのか、同じ地域でも土着の神と新興の神との関係はどうだったのか等、著者は詩人なので論文調で己の考えを述べることはないが、引かれている神話を読み進めてゆくうちに、読者が何となくこの世界の広さと狭さを感じるような一冊になっている。2016/01/27