生きた貨幣

生きた貨幣

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  • サイズ B6判/ページ数 165p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791757893
  • NDC分類 954
  • Cコード C1010

内容説明

あなたは「生きた貨幣」になればいい。無形の欲動が波立ち騒ぐ身体の普遍的コミュニケーションを思考し、資本主義的な経済体制の限界領域を検証する。現代思想の特異な名著。

目次

ミシェル・フーコーの手紙
生きた貨幣(無償性と値;余談;生きた貨幣)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

26
「初期設定」をまちがえたのではと云いたくなるほどの難解さ。わたしは思想家でも作家でも画家でもなく、一個のモノマニアにすぎませんと語ったことのあるクロソウスキー。「ピエール、あなたがいなかったなら、私たちはその真実に逆らいつづけるしかなかったでしょう。あなたは私たちの悪しき宿命を語り、それを霧散させたのです。その宿命がどこにあるかを私たちはもう知りません。ただ、あなたが語ったところにそれがあるということを、私たちは知るのみです」。これはフーコーがクロソウスキーに宛てた手紙の一節。2017/01/17

またの名

9
本文と関係ない写真のインパクトが強くて妄想に憑かれたみたいに気が散る。妄想もといファンタスムを無用な有用性を十全に発揮した倒錯的な使用に供するには、道具的生産へ対抗するバタイユ的な戦略だけでなく、産業社会で大量生産される商品化したポルノを攪乱するだけの芸術のシミュラークルを動員せねばならない、という話をややこしい論理で考察。交換不可能なはずの人間の身体をエロティックな貨幣として交換させる不気味なサド・フーリエ的企てを提示するクロソウスキーのファンタスムは凄まじいけど、リベンジポルノの時代は多分もっと怪奇。2014/05/20

大ふへん者

8
ここ数ヵ月の読書で一番の収穫となった。いつぞや友人との会話で「貨幣の反対は何か」という問に「身体」と答えたことを記憶しているが、本書は通常「交換不可能なもの」として定義される身体を正に通貨にしようとするスリリングな思考である。クロソウスキーの理論がどこまで実現可能かと考えるのも面白そうだが(現に労働資本などは身体交換の一面もあるし、近未来の生産様式においては十分にありうる)思考の方法論自体が興味深く刺激的。バタイユ『呪われた部分』フーリエ『四運動の理論』を先に読んだらよかった。2014/07/18

uburoi

3
意味深なピエール・ズッカのモノクロ写真とクロソウスキー自身のおなじみのデッサン画に挟まれて難解な経済学が語られる哲学エッセイ。「欲動」「ファンタズム」「シミュラークル」「基体」「交換」とキーワードにも事欠かないが拠り所はサドとフーリエであり、その論理はまことに明解だ。「アイドル、スター、広告モデル、ホステス等」を「産業的奴隷」と位置づけて「生きた貨幣」となるまでもう一歩と解くところは資本主義への痛烈な皮肉ともとれる。2013/01/07

Teppei Ueda

0
再読2021/09/23

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