内容説明
天地創造のページェント。天地創造、人類の創出、神々のパンテオン、巨人族と悪の軍団、そして宇宙感情。世界の破滅と再生の活力に満ちたコスモロジーが整序する稀有なゲルマン神話。その雄勁でダイナミック同時に繊細でペシミスティックな、簡潔にして奥深いゲルマンの神話世界の総て。
目次
アースの神々の出生と創世
アースの神々が巨人のロキを迎える
世界樹
ヴァーネンの神フレユが美しい女巨人ゲルドに結婚を申し込む
どのようにして従僕、農夫と王がこの世に成立するようになるのか
小人たちは競って鍛造する
オーディンと賢い巨人のヴァフトルードニルが自らの首を賭ける
二つの神々の種族間の争い
オーディンが詩人の蜜酒を奪う
神々が棟梁を裏切った〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
27
北欧神話。ゲームや漫画の影響で強力な武器を持つ厳格な強い神々というイメージがあったが読んでみると死への恐怖、傲慢さ、物欲など感情豊かな神々に驚いてしまった。自分たちが満足に使える武器が作れず、小人たちに製作してもらう。幻術に惑わされたり、策謀により手も足も出ないとここまで弱みを見せていいのかと感じる。一方で戦いにおける強さや団結力、規律を保つことの重要さを表現しており、当時のゲルマン人の価値観を感じた。各エピソードはメッセージ性が強く、物語を通して共同体の価値観統一を狙っていたのではないかと思いました。2024/04/03
洋書好きな読書モンガー
14
本棚から再読。ヴァイキング時代末期10世紀のデンマークを舞台としたNorthern Wrath by Thilde Kold Holdtを読む為に。北欧神話の最終戦争ラグナロク(神々と巨人族の戦い)が出て来るけどnine worldsとかSurd(ズルト 暗黒の巨人Odinの1番の敵)が出て来てこれ何状態になったので北欧神話再確認の為に読む。図が全く無い本なので世界の仕組みとか分からないけれど付属の語彙集(ドイツ語と古ノルト語で単語を記載、日本語訳)が疑問に応えてくれた。2025/04/13
おびぃ
2
文章としてはドイツ語から日本語への翻訳がストレートなので少しまどろっこしいが、章ごとの区切りや並べ方がうまく、わかりやすかった。アース神の創世から没落までの流れが主体で、まだざっとした神話の流れをストーリーとして書かれたものである。下巻ではどこまでこの骨組みにさらに補足が入るのか楽しみである。神話の世界をもっと知りたくなるような少しの謎の残る本で上巻としては上出来だと思う。2010/02/22