内容説明
歴史は終わったのか。高度資本主義の理想郷と暗黒郷。「社会主義」が崩壊し、現代思想の最先端としての「ポストモダン」さえ神通力を失ったいま、未来に待ち受けているのは理想郷(ユートピア)か廃墟(ディストピア)か。資本主義批判とポストモダン批評の第一人者が、哲学、文学、建築、メディア、大衆文化の現在を縦横に分析し、グローバル化する資本主義の未来像を提示する。
目次
第1章 ポストモダンの二律背反(時間的な二律背反―不動と変化;空間的な二律背反―不均質性と均質性;反基礎づけ主義的自然主義;ユートピアに基づく反ユートピア論)
第2章 ユートピア、モダニズム、死
第3章 ポストモダニズムの制約(ダーティ・リアリズム―雑多なものの浮遊;脱構築―格子の重ね合わせ;批判的地域主義)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ecriture
9
ナヨナヨした草食系ポストモダニストを駆逐するオラオラ系肉食ポストモダニスト・ジェイムソン。歴史が終わったように見え、「ブレードランナー症候群」的に都市の内部と外部が共在し、グローバルな均質化と商品化が勝利を収める時代を「ポストモダン的二律背反」というキーワードで論じる。そしてモダニズムにもポストモダニズムにも回収されない「批判的地域主義」論を展開する。ジェイムソンのポストモダニズムは「自己敗北的な、不毛なニヒリズムの営み」ではないので、ポモと聞いてアレルギー反応が出てしまう思想かぶれの方にオススメ。2011/09/25
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