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内容説明
量子力学の出現によって、理論と現実の間に奇妙な乖離が生じる。理論では実証されてもまったく現実味のないこの「奇妙にもやもやした」気分は何か?アインシュタイン、ボーア、ボーム、観測問題、シュレーディンガーの猫、相対論など、古典物理学から量子力学への転換に伴う重要事項を網羅し、量子力学の最先端と現実感のギャップを解消する。
目次
自分のコンピュータを信じるわけ
力学の行きづまり
主として哲学的な間奏
現実をテストにかける
観測を行なう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
4
量子力学の説明書をたくさん読んできたが、徹底して不確定性原理の観測問題に関する哲学的検討をしている。前半がくどくて疲れたが、シュテルン・ゲルラハ磁石で電子のスピンを観測するときの不思議さから議論を起こす。上向きか下向きか確率が1/2だとしか言えない。上向きと測れたものが右向きか左向きかで確率がやはり1/2で、その後また上向きとも下向きともなってしまう……不可思議な世界だ。巨大なものも量子の性質を持つが、脱コヒーレンスによって確定的な特性を持つように見える、という説明が圧巻だった。2013/10/26
K.iz
3
量子力学の説明には大抵、古典力学からハイゼンベルク/シュレーディンガーまでの長い歴史が引用されるものですが、この本はそのようなルートを通らず、スピンの現象の説明から量子力学の本質を示してくれるアプローチが秀逸です。いい本です。
まつど@理工
2
ファインマン物理学5巻(原書3巻)の量子力学における1~5章とあわせて読むと頭の中がよく整理された。良書。2013/09/24
ttt
1
観測によってそれまで不定だった量が定まる、というのが我々の常識(だと思っている世界)とかけ離れている点が非常に面白い そもそも「観測」とはどの段階のことを指すのか頭が混乱してくる2013/09/20
COO
1
めちゃくちゃ面白い。分かりやすく量子力学について解説。ゲームやラノベの設定に量子力学が利用されることがあるが、この本を読んでいたお陰でより楽しむことが出来た。2009/10/08