音楽への憎しみ

音楽への憎しみ

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  • サイズ B6判/ページ数 330p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791755646
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C1010

内容説明

先史時代の洞窟に谺する狩猟民の秘儀、聖書の強迫的な音の響き、ナチスによるユダヤ人絶滅キャンプの楽団、そして高度消費社会で猛威をふるう音楽に、魂を威嚇する根源的な暴力と殺戮の伴奏を聴きとる危機の批評。音楽の闇の物語。

目次

第1考 ペテロの涙
第2考 耳にはまぶたがない
第3考 わたしの死について
第4考 音と夜の関係について
第5考 セイレンの歌
第6考 ルイ十一世と音楽の豚
第7考 音楽への憎しみ
第8考 レス、エオチャイド、エックハルト
第9考 憑きを落とす
第10考 関係の終わりについて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

傘緑

46
「わたしは、音楽が音の苦しみと切り結ぶ関係について問う」オルガン奏者の家系に生まれ、自身もピアノやオルガン、チェロに親しんでいたキニャール。アフォリズムのような短い文章にまとめられた音楽への愛憎。「音楽はあらゆる芸術のなかで、ドイツ軍が一九三三年から一九四五年にかけておこなったユダヤ人殲滅運動に協力した唯一の芸術だ…とりわけ洗練され、複雑な音楽を愛し、それを聴いて涙さえ流しうる人が同時に獰猛さに捕らわれうることに驚く人がいることにわたしは驚く。芸術は野蛮の反対ではない。理性は暴力と対立するものではない…」2017/02/23

内島菫

34
私がこれまで音楽や音楽にかかわる人に覚えていた違和感をはるかにこえ、果てのない忘却と源の闇に連れて行ってくれる(が、帰り道はない)。マイナー漫画を描く人で音楽もやる人は多い。それは、視覚にかかわる人々の聴覚にかかわる音楽への屈伏のように見える。自分の描く漫画よりも、たとえ余技であっても自分の奏でる音楽の方が簡単に人心をつかみ他者とつながることが出来ることを彼らは知っている。音楽とは集団性だ。私もキニャールのように古楽を中心として音楽を聴く。それは主に音の感触に個人的に触れたいがためだ。2019/02/22

ふるい

16
キニャールの代表作として挙げられることの多いこの本をやっと読み終えることができた。凄かったとしか言いようがない。誰よりも音楽を愛した者だからこそ書ける、音が持つ根源的な支配性、そして恐怖し従属してしまう人々の愚かさ。"すべてを神話的活力のようなもののなかにまた沈めてみたかった" キニャールの試みの途方もなさに、うつくしさに胸打たれる。"この世界では人間的なものが重きをなしたことはけっしてない"それでも何かを思考し続け書き続けずにはいられない。2018/04/26

しゅん

16
オルガン奏者の家系に生まれ育ったバロック音楽の愛者が書き綴る十編の「憎しみ」。鶏の声を聞いて自らの裏切りを自覚したペテロの挿話をはじめ、ヨーロッパ、ギリシア、中国、インド、日本に残るあらゆる物語から音楽の暴力を炙り出してゆく。アドルノの録音芸術批判に通じるものがあるが、こちらはもっと絶望が深い。これを読むと、音楽に感動か苦痛しか感じない極めて乱暴な感性しかぼくらは持ち合わせられていないんじゃないかという疑いが胸に広がってくる。同時に、この本は言葉をもってして「音楽」の繊細さを表現しているような気もする。2018/04/10

鳩羽

12
原始的な恐怖と音楽の関係、語源や儀式での使われ方、近代での効能まで、音に関する思索を断片的な文章で綴った小論集。前提の知識がないため、少々難解だった。目が見えるようになる前から、声を発する、言葉を知る前から耳は聞こえていたというところから、聴覚に原始的本能的な結びつきを見出す。また、耳にまぶたがなく、音を遮断できないことから、音に対して受け身にならざるを得ないこと、ただし音に主体はなく意味もないため、もっと大きな(例えば死のような)ものを感じさせたのではないかということなど。2016/01/01

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