内容説明
女の手仕事は歴史には残らない。その消えた女の手仕事を、僅かな痕跡から、考古学の最新の方法を駆使して復元し、そこから、これまで語られることのなかった豊かな情報をとり出して、古代女性の生活の実態を蘇らせた画期的なワーク。―旧石器時代から古代ギリシアにいたる二万年の女性の生活史。
目次
第1章 故ある伝統
第2章 紐革命
第3章 中庭の女仲間
第4章 島の熱狂
第5章 衣は口ほどに…
第6章 コードの要素
第7章 キャラヴァンの運ぶ布
第8章 亜麻の国
第9章 金の紡錘
第10章 神話の蔭に
第11章 地味それとも派手、新式かそれとも試験済みで確実か
第12章 終わりに―見えないものの発見
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びっぐすとん
10
図書館本。石器時代から古代の織物から見た女の役割について。少し読みにくい。著者が考古学者&言語学者ということで考古学的アプローチと言語学的アプローチが入り混じってるのも分かりづらい。力作ではある。機織りや土器作りは時間はかかるが子供が側にいても安全で、途中で中断しても再開しやすく、子育てと並行して出来る作業だったことが女性の仕事になったようだ。現在でも女性の方が同時進行で複数の作業が出来ることに繋がってるのかな。石器時代に色を使い分けた織物があったとは。ミロのビーナスの失われた両手が糸を紡いでいたなんて!2018/11/10